十姉妹日記

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2002年7月7日


七夕の日に我が家に2羽の十姉妹がやってきました。

あれは6月末。花咲蟹はいつものように出社すると、朝礼で「つがいの十姉妹を飼えなくなってしまったので、誰かもらってくれませんか?」と言う声を聞きました。次の瞬間、なにか考える前に「欲しい…」と口にしていました。

とはいえ、夫である菊水は、小学生のときに文鳥をヒナから育てた経験があります。大事に育てた手乗りの文鳥をネコにやられてしまったり、犬にほえられてびっくりした文鳥が逃げてしまったりと、悲しい思いをしています。それっきり鳥を飼わなくなってしまったというけれど、十姉妹を飼ってもいいだろうか?喜んでくれるだろうか?心配でしたが、幸いにも快く了承してもらえました。

竹かご全景 そして、七夕の日のお昼頃、同僚Iさんの車に乗って渋滞を超えつつ、2羽の十姉妹はわが家にやってきたのです。

竹の鳥かごに2羽の十姉妹。白地にグレーの斑点の羽根はメス、白地に茶と黒の羽根のオス。安直な命名でメスは「シロ」、オスは「クロ」に決定。やってきた直後はさすがに落ちつかなそうでしたが、少しなじんでくるととても仲良しそうでいつもぴったりくっついています。台所の窓際に置いて眺めていました。
休日出勤で仕事に出かけた菊水は、夕方さっそく壷巣を買ってきました。仲良しの2羽、最初は壷巣を警戒して近づきますがなかなか入りません。でも、先に♀のシロが入ると続いてクロも。結局2羽とも入ったら、それっきり朝まで出てきませんでした。竹かごは自然な感じがとてもいいのですが、少々窮屈なのが難点です。秋になり、繁殖の時期になる前に広いかごを準備しようと思いました。

さえずるクロ、毛づくろいのシロ 小鳥の朝は早いです。かごの布を取って明るくすると、身を乗り出していて待ち構えていたように巣から飛び出して餌をついばみます。クロは自慢げにさえずるし、よく背中に乗っていてほんとに仲良しです。 自己顕示欲の強いやんちゃな男の子とおっとりした女の子、結構いいカップルです。

十姉妹の飼い方の本を探したのですが、十姉妹専門の本と言うのは見つかりませんでした。 どの本にも「丈夫で飼いやすい」と書かれているためか、あまり詳しいとはいえません。 文鳥の本はたくさんあるのに…。小鳥一般の本のほかに文鳥の本まで購入。もちろん文鳥の本も、参考になるところはたくさんあります。



2002年7月20日


手にとまっちゃった・・・ しばらくたつと、管理人菊水のもと、お休みの日と朝はお散歩することも覚えました。ただしクロだけ。シロは外には興味がないようです。最初は上手に飛ぶことができず、かごから壁までの往復、それがだんだん部屋一周できるようになり、隣の部屋へ進出するようになり…
シロはびっくりしたときに「表に出ちゃった」という感じでしか外へ出ません。あまり上手に飛べないし、やはりびっくりしているのか逃げてしまうので、かごに戻すのが大変です。あらゆるところを使ってつたい歩き(飛び?)ようやくかごに戻ります。

ただいまシロちゃん、お帰りクロちゃん ある時、そんなお散歩途中で、メロンの箱に入っていた緩衝材(ベニヤか何かを削ったようなもの)に興味を示し、くわえては巣に運ぼうとしているクロを発見。そこで巣草を入手し、かごの上に置きました。お散歩大好きなクロは見つけては壷巣に運びます。くちばしで器用に曲げて(とはいえ、割とアバウト)巣の中に運び入れています。それをシロは壷巣の中で整えているようです。中で何が起こっているのかはわかりませんが、居心地のいい巣になっているのでしょうか?

2002年8月10日


暑い夏が続いています。そろそろ広い籠にしようと思い、少し大きめの籠を購入したばかりでした。
いつも朝は、篭の布を取ると身を乗り出していて餌に直行する彼ら。が、その日の朝は様子が違いました。いつもの窓際に移動するまで、2羽そろって壷巣の中にじっとしています。明るくなって場所が落ち着くとようやく外に出てきましたが、その間に壷巣を覗くと…そこには直径1センチくらいの小さな白い卵が!

東京の暑さは日中36度にもなります。なんとこの暑さの中、しかも広い篭にお引越しする前に産卵を開始してしまったのです。卵は一日一個産むらしく、そろうまではあまり本格的に抱卵はしないということです。が、巣の中に残った卵を見ると、つい「大丈夫かな?」と思ってしまいます。

それから毎日一個ずつ卵は増えていきました。が、四つ目の卵を確認した朝、花咲蟹はシロを驚かせて、彼女は篭から床へ落下してしまいました。それでびっくりしたのか、翌日から卵を産まなくなりました。

気のせいか、体を膨らませているような姿を見ると、よく聞く「卵に関するトラブルなのでは?大丈夫かな?」と、つい心配になってしまいます。しかし、幸いにも取り越し苦労だったようで順調に抱卵を始めました。
それ以来明らかにおとなしくなって交代で卵を大事に温めています。クロちゃんは自分の食事がすむとあまり外遊びもせずに巣に戻り、シロちゃんをせっついて餌を食べに外に出るよううながしているようです。餌、水を飲むとさっさと巣に戻ります。2羽そろって巣から離れることは絶対にありません。暑くて口をあけながらも、ずっとそろってこもりっきりになってしまい、ちょっとつまらない&とても心配という気持ちです。でも、信じるしかありません。広い籠へのお引越しもしばらく延期になりました。卵が無事に孵りますように!8月末にはヒナの姿が見られるはず。待ち遠しいです。

いってらっしゃい、あなた♪


このころは「そっとしておかないと」と思っていたので、写真があまりありません…


2002年8月27日


生まれたよ!

帰宅すると餌・水を変えて布をかけるのが日課。そんななか、餌入れの中に割れた白い卵が一つ!これはいったい?
卵はちょうど真ん中あたりから割れて、重なるようにくっついていました。殻はきれいです。この状態からすると、卵が孵ったということ?しかし、夜ももう遅く、電気をつけてのぞくのも気がひけて、壷巣の中を確認することはできませんでした。ただ翌朝を待つばかり。菊水は割れた卵を神棚に置いて楽しみにしていました。


4羽確認


そして翌朝、壷巣の中にうごめく赤い物体を発見!とうとう雛が孵りました!3つの小さな小さなくちばしが動いているのがわかります。これが鳥だとは思えないような無防備な姿。


食べ物ちょ〜だい!


さらに翌日には3つのくちばしを持つ赤い物体の後ろにもう一つの声を発見。4つの卵はすべて無事に孵ったようです。最後に発見した小さなくちばしは陰に隠れがちで、存在を主張できているのか、ちょっと気になりますが…


両親、外出中

最初の日は姿が見えるだけでしたが、だんだんコオロギでも鳴いているような小さな声が壷巣から聞こえてくるようになりました。姿もですが、まだ鳥より虫に近いのかもしれない、という感じです。親が餌を与えている姿も垣間見えますが、巣の入り口は巣草でかなり見えにくくしています。やはり本能なのでしょうか?こんな姿じゃひとたまりもないでしょうし。あまり覗き込むわけにもいかず、中をうかがう機会を待つばかりです。


お腹いっぱい



一日一日、ほんとに小さな「ミニ合唱」がだんだん「普通の合唱」の大きさに。だいぶ中の様子もうかがえるようになってきました。



2002年9月5日


朝、壷巣の中で動いているくちばしを確認したのですが、どうしても3つしか見つかりません。その前の日も小さいくちばしは奥のほうで見えにくかったのですが、その日は動いているのが確認できていました。どれほど注意しても3つしか動いていない、懐中電灯で中を照らして見ると、1羽は黒ずんでもう冷たくなっていました。そのうがからっぽだったので、餌をねだれなかったようでした。強い子が生き残る、というのは自然なことかもしれませんが、みんな孵って喜んでいた矢先で本当に残念でした。
あとの子達が元気なのが、唯一の救いです。

一緒に外出
雛たちが生まれてから、母・シロは積極的になったようです。前は外など興味もない、という様子でしたが、クロを追いかけてか?ある時、表に出てしまいました。一人では上手に飛べないので、いつもは人が追いかけて巣に戻すのですが、そのときは籠のすぐ下の床の上で動けないでいるシロに、クロが近づきました。
そして、床から籠の入り口まで飛んで見せて、またシロのところへ戻ってくるのです。2、3回繰り返して見せると、シロも危ないながらもくっついて飛べるようになったではありませんか!


愛するシロに、自分ができることを精一杯教えて助けている姿、余計なことをしなくてもこのペアは大丈夫、と確信しました。それからはクロほどではありませんが、だいぶ上手に飛ぶようになり、壁までの往復だけから部屋を一周できるようになってきました。クロを追いかけているようです。

羽根、伸ばさなきゃ

巣をほったらかしてしまうのでちょっとはらはらしますが、しばらく遊ぶと餌を運びに戻ります。オス・メスにかかわらず餌はやるし、特にシロの給餌中は、クロは巣の外に立ってじっと守っているかのようです。けなげで愛情深い十姉妹に、すっかりまいってしまいました。


2002年9月12日


小さい・・・

無謀にも手乗り十姉妹に挑戦。この日雛たちを壷巣から拉致しました。(花咲蟹はこのために一週間の夏休みを取りました) 前日、この日のためにオリジナルフォーミュラ(パウダー)、育て親(餌用スポイト)、フゴ代わりの籐の籠、中に敷く牧草などを準備済みです。朝、親たちが巣から離れている隙に壷巣を強制撤去。籠に牧草を入れて、まずはヒナたちを壷巣からそこへ移動しようと試みます。しかし、爪でしっかり固定しているようで引っかかってなかなか出ません。最後はかなり強制的に巣草ごと巣から引き出しました。 ミニ十姉妹たち3羽です。意外と大きさにばらつきがあります。


緊張・・・


そして挿し餌に挑戦。粟玉、フォーミュラ、青菜、ボレー粉にお湯を加えて与えようとしますが、かなり難しいです。というのは、十姉妹はくちばしが小さい。文鳥用の育て親では口の中に入れること自体がかなり難しいです。個体の大きさももちろん違います。そして、肝心の気持ちですが、あせればあせるほどうまくいきません。しばらくたって落ち着いてから、と考え直して、しばらくは少し暗くして雛たちはじっとさせておきました。親たちは意外と平静です。今度は粟玉、ボレー、青菜だけの配合にしてみて再度挑戦、少しは餌を食べてくれました。しかし、そのうがパンパンになるまで、というまでは難しいし、一番小さな雛はよほどラッキーでないと、くちばしの中自体に育て親を入れられません。やはりストローと竹串のほうが、ということで、買ってきてもらうことにしました。細くなって少しはよくなりましたが、難しいです。結構深く入れないと飲みこめないのですが、口の中に入れること自体、最初は恐いので…


皿巣の籠風景


一方親のほうは、壷巣は撤収して産卵はまた春に、ということで皿巣を入れました。繁殖は春までお預けです。皿巣は巣だと認識していないようで、巣を探しているようなそぶりが感じられます。牧草拾って巣に運びたい、でもない、という状態です。でも、夜になったら二人で皿巣に入って休んでいました。ここが新しい寝床になるのだということは認識してくれたようです。


2002年9月13日


お手伝い この日も朝から餌を作り、慣れないながらも雛たちに与える努力をしていました。菊水のアドバイスで「文鳥のヒナを育てたときは、背中をなでると口を開く」というのでやってみました。が、一度は開きますがそこで失敗すると今度は決して開けてくれません。3時間おき、というのはとても無理なので、できそうなときに餌を与えてみる、ということにしました。一度に終わらせるわけにはいきません。 しかし、親の声がすると雛たちはピィピィ鳴きだします。親も気になっている様子。一度巣から離してしまうともう親は育てない、という話なので、だめでもともと、と思って雛たちの籠を親の入り口に置いてみました。すると餌を求める子供たちに親たちが餌を与えているではありませんか!最初は自分の籠の入り口に立っていましたが、とうとう雛たちの籠に入ってしまい熱心に給餌しています。

シロちゃん給餌中
やはり親子、育児放棄なんてぜんぜんしない親と親を信じる子供の姿に感動です。しかも、手のひらに3羽の雛を乗せて入り口に連れて行くと、そこでは一瞬ためらいましたが、雛たちの声に勝てなかったのかやはり餌を与えています。(親たちは手乗りではないので、手を近づけると逃げてしまうのですが。)手のひらから親に餌をもらっている姿のなんとかわいいこと!


しかし、この日は13日の金曜日。事件がこの後待っていました。 この日はカーテンを洗濯しようと思い、はずしていました。雛たちに給餌したあと、彼らは籠で自分たちの食事。籠の入り口が開けっ放しだということに気が付いていませんでした。ちょっと落ち着いて、窓を少し開けた瞬間、クロが外に出てしまいました。あ、と思ったけどそのままベランダ方向へ。慌ててベランダに出ると、生垣の木に止まっているのを見つけましたが、木の方向に近づくとそのまま隣家の木のほうに飛んでいってしまいました。 泣きそうな気持ちで菊水の携帯に。まずは落ち着いて籠をベランダに出しておくこと、しばらくしたら帰ってくるかもしれないから、ということでまずはシロのかごをベランダへ。雛たちとはしばらく離れてもらいました。じっとしていられずにシロの籠を持って、家の周囲を歩きました。もしも声が聞こえたら呼んでくれるかもしれない、そう思ってゆっくりゆっくり歩きながら何度か往復しましたが、シロも警戒してしまっているのか、あまり鳴いてくれないし声も聞こえません。とはいえ、時々「クロの声?」と思うような声も聞こえるのですが…でも気のせいかもしれません。籠が見えないかもしれない、と思ってつるしてみたり、隣家との間の壁に固定してみたりもしましたが、帰って来ませんでした。夕方、だいぶ涼しくなり、シロにはかわいそうでしたが、暗くなるギリギリまで外で待ってもらいました。どうしてもあきらめきれず、壷巣と粟穂をベランダにつるしておいたのですが気がついてくれなかったようです。シロは子供たちに餌をせがまれて与えに行くのですが、いつもなら交代のクロの姿がないせいか、落ち着きません。慌てて餌をついばみ、水を飲んでは子供たちのところへ。その間もクロを呼ぶかのように鳴いていました。見ているほうが苦しくなりそうです。夜には雨も降り出しました。不注意としか言いようのない事件、寒いしどうしているだろうと思うと…しかもシロも一人で落ち着かない様子。そんな姿を見るのもとても辛い思いです。翌日は「ペットロス」という状態。でも、じっとしていられず、挿し餌にも再度チャレンジ。子供たちも親が餌をやっている間は口をあけているので、その間に少しは挿し餌をしたりして、少しでもシロの負担が軽くなるように、と努力はしました。挿し餌も少しは食べてくれますが、どうも下手みたいでその後びっくりしたような顔をされてしまいます。それでも親の力は偉大。寝る前にはそのうはパンパン。人だけではとても無理でした。シロの努力に感謝感謝です。

2002年9月15日


大きくなってきました

翌日、ようやく起きてくる気になり、雛たちと遊びました。まだまだ片手に3羽とも乗ってしまうほど小さいけれど、一番大きい子と小さい子では頭の大きさでも半分くらいじゃないか、というくらい差があります。だんだん性格も出てきます。いかにも長女、ひょうきんで人なつこい次男、末っ子は甘えっ子と…。手のひらに乗せていると本当に暖かくて幸せな気持ちになります。食事が済むとまた親から拉致しちゃって、いいのかな、とも思いますが…なんだか祖母に自分の子供を育ててもらっているような、そんな気分です。 1日、2日が経つにつれて、性格も羽根もしっかりしてきました。一生懸命毛づくろいをしますが、手のひらで毛づくろいすると白い粉がたくさんついてきます。猛烈に新陳代謝しているのでしょう。 クロは帰ってくることはない、ということを受け入れるのにはだいぶ時間がかかりましたが、シロもだんだんわかってくれたようで、給餌もだいぶ落ち着いてできるようになりました。この頃になるともう挿し餌は一切なし、親に頼りっきりです。飛べるようになるまでは、手のひらから餌を食べてくれています。 このため、手乗り十姉妹、というわけにはいきませんでしたが、手を恐がらない十姉妹には成長してくれました。


ヒナ成長記はこれで終わります。翌年のヒナ成長記は「うちの子紹介」へどうぞ。