君も知っているかもしれないが、 以前には毎年数名の生徒を連れて、ここで楽しめる現象を見せていた。」 「はい。守村君とその話をしたことがあります。」 「そうだ。彼にもこの現象を説明した。 しかし、今年になって、こうして君と新たな関係となった上で見てみると、 俺と君、二人だけのものにしたくなった・・・・・・。」 「零一さん・・・・・・。」 「コホン、俺の気にいった場所が他の恋人同士で溢れかえるのは好まないからな。 でもまた、新しい場所を探すことにする。そこは完全に二人だけの場所にしたい・・・・・・。」 氷室はやや頬を染め気味に話すと、眼鏡を外してに微笑んだ。 次の瞬間にはその微笑が消え、真剣な眼差しをした氷室の顔がの顔のすぐそばにあった。 「零一さん・・・?」 「俺は近視であるためここの景色を見るには眼鏡が必要だが、 こうしてを間近で見るには裸眼の方が都合がいい・・・・・・。」 最後のほうの言葉は唇に氷室の吐息が掛かる程の距離で、 驚く間もなく、唇は合わされた。 その口付けは日が落ちていく早さと同じように 始めはゆっくりとしていたが、東の空からの夜の勢いが増すにつれて 段々その激しさも増していった・・・・・・。 |