遙かなる風貌の秀峰
          
2001.8.12/単独 
                           1979M 

「林道登山口〜七ノ沢出合〜八ノ沢出合〜三
股〜八ノ沢カール〜カムイエクウチカウシ山」 


  カムイエクウチカウシ山は、広大なる日高山脈にあって、道内外者に人気度が高く憧れの山である。
 登山口へと中札内村から札内川沿いにヒョウタンの滝・難所工事の隧道を幾つも抜けると、道路脇にヒュッテが建ち、最初の隧道を抜けると「コイカクシュサツナイ岳・1839峰」の登山口である。
 下山者からの情報では、大半の登山者は一泊又は二泊にて頂上を目指すとの事で、日帰りは健脚者のみでありと聞き、初めての山と沢ルートもあり、多少不安な気持ちでの車中泊。
 翌早朝、山間部の暗夜に腹を満たしながら林道を行くと砂防ダムの水面に静寂を感じると、札内川の広い河原「七ノ沢出合」である。
 渡渉から八ノ沢を直線的に水流を楽しむと、時折巻き道に標示テープがあり、忠実に辿ると中州にテントが張られている。
 C680二股、広河原の屈曲点は八ノ沢出合で沢山のテントが見えるが、人気は無く頂上へと出発した模様である。
 八ノ沢左岸の巻き道から渡渉を繰り返し、変化ある大岩・水流等に高度を上げると、先行登山者を散見する。
 沢筋へと流れ込む山腹からの高度感のある滝を眺め、遠く高く見えるカムイエクウチカウシ山から派生する稜線が青空に映える。
 三股手前には、残雪の大きなトンネルが点在し、この山の積雪量の多さに日高の自然の厳しさを実感する。
 三股中央部の滝から、左岸沿いの急登岩場に一気に高度を上げると滝が連続、慎重に迂回を繰り返し、非常に急峻なガレた高度感ある岩場が続き、落石があれば狭い沢筋地形には危険である。
 傾斜変換点の凅沢の大岩に出ると、落差ある滝を眺め、沢靴から登山靴に履き替え、滝壺横を幾つか過ぎると、稜線・八ノ沢カールである。
 緑輝く明るく広いカールからは、ピラミッド峰とカムイエクウチカウシ山へと続く稜線に青空が眩しい。
 カールを頂上から遠ざかるように左に巻き、鞍部稜線へと草原急登からハイマツの国境稜線に立つと「穂高」の凅沢に類似したカール地形越しに八ノ沢が続き、次いでカムイエクウチカウシ山が高い。
 山登りで最も充実した時間帯ではあるが、ロングコースを八ノ沢にテントを張っていた登山者を含め、一番乗りのハイピッチに足が重く、ハイマツ地帯の細い稜線に緊張しつつ、高度を上げると無人のカムイエクウチカウシ山頂上である。
 全周の大展望!!ここが幌尻岳に次ぐ日高第2番目の高山…頂上を目指す登山者を眼下に眺めながらの景観は雄大である。
 北に幌尻岳・エサオマン戸蔦別岳・札内岳等振り返るとルートの向こうに1826峰・ピラミッド峰・1839峰等幾重にも鋭山が果てなく重なり、登山は日高の山を登らずして語る事はできないと痛感する。
 八ノ沢出合のテント組の登山者とすれ違いながら帰路へと下山を開始、福岡大学の三人が「ヒグマ」により犠牲となったカールを感慨深く過ぎ、八ノ沢へと急激に下降を繰り返す。
 今年6月に滝壺に転落して犠牲になった注意を要する巻き道を慎重に越え、御冥福を合掌して、沢水が心地良く渡渉を繰り返すとテント数が減少した「八ノ沢出合」である。
 札内川の水流の流れの中を歩きながら、この山を計画する際は、前後の天気予報を確認しないと危険で足止めに遭遇する事にもなる。
 長いルート歩きも、広い河原の七ノ沢出合の工事中の橋と林道が見えると名峰「カムイエクウチカウシ山」日帰り山行も終わを告げる。

@ 三股付近の滝
A 八ノ沢カール
B カムイエクウチカウシ山稜線
C ピラミッド峰と1826峰
D 遠望
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