珠文岳 道北の険峰
珠文岳(しゅぶんだけ)は、道北に位置して稚内からオホーツク海沿いに長大な丘陵を南下すると、砦のごとく最初に立ち塞がる山魂の核が珠文岳である。
登山口へと音威子府村から国道275号線で浜頓別町へと向かい、下頓別市街地手前の豊牛・枝幸方面標識から右折、ウソタンナイ砂金採掘公園標識に右手カーブに入ると国道から4Km程地点のT字路右手にサケ・マスふ化場がある。
右手遠方に端正な珠文岳方面の山並みが見え、T字路を右折して800mでウソタンナイ川沿いの最終人家が建ち、左手に林道が延びるも未除雪である。
ウソタンナイ川沿いの春の雪解け景観の中、左手の丘陵に取り付き、疎林に標示テープを縛着しつつ、高度を上げると風が強い。
145高地を過ぎて253高地の松林を抜けると勾配が増し、積雪量も増えてトラバースにて単独ラッセルしつつ、風が吹き抜ける斜面には標示テープを縛着する。
樹林景観に黙々と汗を流すと584高地が鋭角的に聳え、正面に珠文岳手前ヒーク等が広がり、584高地の岩場直下からは正面の山容が実感として展開する。
キレット景観の岩塔群と雪面が高度感あり、ここまで4時間以上の時間をかけて登ったけれども…岩場にルートを探すが、頂上へと続くセッピにと雪煙に躊躇する。
岩塔基部下方に落ち込んだら上がれないと高度を緩やかに下げて切り抜けて振り返ると迫力がある。
強風によるクラフト状態の斜面には、灌木が頭を出し、自然の猛威を実感しつつ、眼前のピークを越えると緩やかな台地向こうに平坦部の珠文岳の景観が広がる。
頂上には木杭があり、宗谷丘陵の地平線・青きオホーツク海そして敏音知岳・ポロヌプリ山等が果てなく広がるも風の唸りに圧倒される。
下山へと、584高地の岩稜部を慎重に抜けて森林に高度を下げる。
静寂さが漂い、山の怖さと良さの両面味わい、標示テープを回収しながら、意外と奥深き山で変化ある山と高度を下げる。
今春中には、「ポロヌプリ山」に挑戦したいが、これが又奥深く課題である。
登り:5時間10分 下り:2時間20分