前富良野岳主脈から外れた弧峰
      
2003.03.22/単独
             南尾根原子ヶ原コース 

「布礼別林道〜夏季登山口〜布部川沿い林道〜南尾根〜前富良野岳」(往復)


    前富良野岳は、十勝連峰主脈から外れた富良野岳西側に聳える1600m級の異端児的な山であり、山麓からは鋭角の山頂部を眺めるが、登山道はなく積雪期に挑戦である。
 登山口へと「富良野岳・原始ヶ原登山口」看板に布礼別林道に入ると右手の布部川に架かる「あきくも橋」まで除雪してあり、夏季登山口手前2Kmの地点である。
 布部川沿い林道を緩やかに行くと約40分程で懐かしい登山口小屋が雪に埋もれ、 引き続く林道も時間と共に少しづつ小さな灌木が道を覆う。
 右眼下に濁音の谷筋を眺めながら高度を緩やかに上げ、原始ヶ原への谷筋分岐から広大な尾根【斜面】に取付き、樹木の濃密な原生林を覚悟していたが、意外と疎林である。
 十勝連峰らしい深雪にトレースを延ばして幅広めの等高線を切りながら、振り返ると丸みあるトウヤウスベ山が望まれる。
 頂上部肩のスカイラインを確認すると樹木のない広大斜面が広がり、標示棒が必要と木々の枝を集めて、標示テープを縛着しつつ、勾配が増すと強風も吹き荒れる。
 肩部に上がると、意外と荒々しい景観に前富良野岳ピークが尖り厳冬期景観が広がる。
 クラスト状の稜線歩きから、急斜面の小さなピーク直下にスキーデポし、用心にとアイゼンを凍える手で装着、登りつめると待望の前富良野岳である。
 間近に白き富良野岳と十勝連山が厳冬期の世界を見せ、眼下に前富良野岳から派生するキレットに鋭峰の1498mと左カーブを描いて旭岳が高所雰囲気を漂わせる。
 遠くに大砲の弾着音を聞きながら、憧れの下ロカメッシク山までの距離を測ると意外な程に急峻であり、雪面が固くなる4月中旬以降に計画したいものである。
 凄まじい強風の青空下、十勝連山にHYML三段山オフミを思い浮かべて、温泉と山行を楽しんでいるだろうと一人の空間を味わう。
 下山へと中勾配の雪面にシュプールを残して、自己満足しながら標示テープを回収しつつ林道に出て一山を終える。
 下山後、HYMLオフミの皆さんに御挨拶がてら温泉を白銀荘でもと考えるも、この黒い顔はと遠慮し、次の山行予定の北大雪へと向かう。
登り:4時間10分  下り:1時間20分 
@ 山麓から前富良野岳と富良野岳
A 前富良野岳
B 頂上から1498峰と旭岳
C 頂上部から境山と下ホロカメッシク山

HOME