楽古岳 南日高の高峰
楽古岳は、南日高に位置して、山麓から眺める山容は鋭く高いが、国道からのアプローチが容易であり、登山口には楽古山荘が建ち、登山道にて多くの登山者に親しまれている山である。
登山口へと広尾町から野塚トンネルを抜け、静内方面へと国道236号線で向かうと道路情報センターを過ぎて程なく「楽古岳」標識に左折する。
コイボクシュメナシュベツ川右岸の砂利道に幾つかの橋を渡ると、コイボクシュメナシュベツ川とニクボシュメシュウベツ川の沢出合の一段高い広場には移設した新しい「楽古山荘」が建つ。
翌早朝、楽古岳山荘の清潔な板間に起床、メナシュンベツ川の水流の多さを足下に感じつつ、丸太橋を渡ると草地の林道が続き、林道終点から樹林地帯に入る。
秋の紅葉時期の素晴らしさを想像させる銀杏・カエデの木々が続き、緑の葉が淡い色である。
渡渉を繰り返し、左手へと方向変換すると「上二股」、山腹をジグザグに切り、次いで直線的に高度を上げる日高特有の登山道が長い間続く。
一端平坦になると、時折、楽古岳へと続くなだらかな稜線が見え、C1317肩へと最後の急登をハイマツを補助にして登り詰めると風が涼しい……厳しい登りであった。
頂上を眼前にする細稜線は、鬱蒼とした低笹等が登山道を覆い、岩綾稜線では数少ない高山植物を見ると草地の小広い楽古岳頂上である。
頂きで辛抱強く霧が流れるのを待つと、視界の北には十勝岳・オムシャヌプリの鋭鋒、振り返ると広尾岳・アポイ岳等が幾重の山並みと共に太平洋へと消えていく景観は雄大である。
眼前の「十勝岳」は端正な鋭峰であり、高さも周囲の山々を圧するように聳えるが、知名度は低く、日高の雄大さと深さを実感する。
頂上に建つ山名標識は、ユニークだと裸足で草地の頂上にてスケッチと山座標定に時間を忘れる。
@ 楽古山荘
A 楽古岳直下
B 楽古岳から東方
C 楽古岳頂上標識
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