原始ヶ原からはぐれ山
大麓山とトウヤウスベ山はほぼ同一標高で連接し、十勝連峰支脈から離隔した南西の位置にあり、この春に前富良野岳と2日前に下ホロカメットク山登頂時に眺めて気になっていた山である。
富良野岳原始ヶ原登山口へと布部川沿いの林道に入り、4Km程進むと残雪が点在し道路脇広場に駐車する。
曇天下、スノーシューを背中にほぼ雪が消えかけた林道歩きに程なく人気のない富良野岳原始ヶ原コース登山口である。
登山張に記入後、林道に入ると固い残雪が登山道を覆って当初スキーも考えたが、周囲の雪溶けが進んだこの狭い坂道登山道では難儀と滝の音を聞きながら序々に高度を上げる。
正面ピーク台上の原始ヶ原と右手にトウヤウスベ山を眺め、時折林道を覆う灌木を払いながら序々に雪景色景観に変化し、「蒼天の滝」が流れる三の沢筋の浅い地点を目途に原生林へと入る。
高度1050m前後の平坦台地が広大に広がる原始ヶ原は、夏道もあるようであるが標識等は一切見あたらず、名前通りの原始林と開豁地が交互に続き、時折標示テープを縛着しながら樹林の間隙からトウヤウスベ山の裾野をと方向を定める。
トウヤウスベ山の裾野が近くなり、幅が狭く浅い水流の沢を2回程渡ると程なくのトウヤウスベ山斜面で取り付き口は自由であり、標高1000m付近から頂上までの一気に400m程直線的な登りの始まりである。
コースは自由と樹木植生を考慮して取り付くと、豊富な積雪の疎林斜面は意外と高度感があると汗を流すと高度1340m付近からは樹林も消えて、明るい雪面が一気に広がり、高所を実感しつつ勾配が緩やかに変わるとハイマツが点在する広いトウヤウスベ山頂上である。
頂上部には標石があり、下ホロカメットク山が鬱蒼とした原生林越しに高く遠くに遠望され、先日反対方向の新得町側から4時間弱で立てた山とは思えない山容に、ここからは本当に遠いとしみじみ実感する。
広い頂上尾根筋に点在するハイ松を抜けて、大麓山がのびやかな斜面とゆったりと流れる稜線へと広い空間尾根のコルへと高度を下げると風の通り道である。
大麓山北側高地から尾根筋歩きに大麓山に向かうと広い尾根筋の一部が頂上であり、富良野大麓自然愛護少年団建立と注記された木柱がある。
地図では夏道もあるようであるが定かではなく、頂上部からは、前富良野岳から始まり北東方向へと連なる十勝岳連峰が一望される。
下山まで人気を感じる事のない静けさの山行であり、春の連休も本日で終了と家路つく。
行動時間:登り 4時間10分
下り 3時間
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原始ヶ原から大麓山・トウヤウスベ山
A トウヤウスベ山頂上から下ホロカメットク山
B トウヤウスベ山頂上から大麓山
C 大麓山頂上部
D 大麓山からトウヤウスベ山
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