雄大景観・端正な山容
      
1998.10.12/単独
              2052M/−/2077M

「望岳台〜雲の平〜美瑛岳〜鋸岳〜十勝岳」


十勝岳連峰の北に位置し、端正な三角錐な山容の反面、十勝岳側の断崖は爆裂火口の激しさを見せて、十勝岳爆裂火口と双璧をなし、山麓から眺める大きな山容は是非登って見たくなる山である。
  望岳台から視界を遮るもののない広大な砂礫斜面に、通い慣れた登山道沿いの上方に避難小屋を見て十勝岳との分岐を左に折れ、沢を渡って山腹をトラバ−スし、亀裂深い沢を越えるとポンビ沢で美瑛岳に直接とりつく山腹であり、崖の急斜面に非常に高度感のある登りとなる。
 岩・根曲がり・笹等を手掛かり・足掛かりに一気に高度を上げてハイマツに覆われた稜線に出ると、見過ごしやすい分岐を右手美瑛岳頂上へと「十勝岳」を断崖越しに眺めての岩稜尾根は傾斜がきつく、頂上への一歩が遠い。
 ハイマツの尾根を抜けて頂上下部の岩綾地帯に重い足を運ぶと、爆裂火口の断崖上の最高点が「美瑛岳」頂上で、十勝岳連峰、大雪山連峰そして「トムラウシ山」と展望か広がり、素晴らしい展望である。
 稜線に初雪が残る中、鋸岳へと断崖稜線を過ぎて本格的な下りにかかると、荒涼とした木一本生えていない茶灰色の索漠とした景観は不気味でさえある。
 展望が良いだけ登り下りが精神的に辛い時間帯が続き、凄まじい岩の連立する「鋸岳」への登りは、砂礫に足が抜かりザクザクの重たくきつい斜面が連続する。
 広い台地に出ると十勝岳が砂漠の様な景観感越しに見え、ゆったりと振り返ると、緑と岩肌のコントラストに「美瑛岳」が端正にそえる。
「十勝岳」頂上に沢山の登山者が賑わうのが見える中、人気のない十勝岳へと続く丘陵尾根の一本道登山道に雲上の世界を楽しむ。
 十勝岳頂上は、十勝岳連峰の最高峰だけあり、快晴下にあれが「トムラウシ山」と感激する声を聞きながら、岩に腰をかけ昼食後、循環縦走を終えて下山し、家路につきながら、今年最後の大きな山かと十勝岳連峰を振り返り見上げる。
@ 美瑛岳
A 美瑛岳から十勝岳
B 十勝岳から富良野岳

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