展望に優れた静峰
    
2003.6.03/単独
              
1550m

「高点961(林道終点)〜作業道〜西側沢筋〜南クマネシリ岳頂上(往復)」


 南クマネシリ岳は、東大雪に位置し西クマネシリ岳からクマネシリ岳次いで南側に延びる平坦台地尾根が約11Kmも続き、特徴ある景観に自然の偉大さを眺める山である。
 この山に関してルートの細部は不明で、南クマネシリ岳南西の作業道を利用するとの情報を頼りに計画する。
 道道88号線から芽登温泉/旭丘喜登牛線標識に樺南林道に入ると程なく、芽登温泉があり、走りやすい林道をヌカナイ川沿いに進むと「巨岩の滝」看板を過ぎて道道88号から14.5Km程の鹿紅橋(かこうばし)を渡り、クマネシリ川沿いへと直進(右折道は樺南支線林道)し、林道終点手前800m付近に崩壊斜面があり、落石が一部林道に流れ出ている。
 南クマネシリ岳山麓の林道終点の961高点は、道道
88号から約19.5Kmの奥まった小広場である。
 林道(作業道)筋に地図を眺めながら、草が覆うも明確な作業道を頼りに鬱蒼と樹木に覆われた南クマネシリ岳南側ピーク懐へと緩やかに高度を上げる途中、右手へと作業道が1本次いで2本と東側に延びて、南クマネシリ岳南側ピークに直接取り付くように見えるが、山腹を迂回するように北へと向かう。
 林道終点から20分程で作業道広場があり、ここから道は細くなるも注意深く見る
と要所には標示テープもあり、高度1190m付近には林道三叉路がある。
 東側への作業道側に標示テーフがあり、偵察をすると作業道は程なく終点で、途中の斜面には上部へと雪渓が延びるも三叉路へ引き返す。
 進路方向は、西クマネシリ岳から南クマネシリ岳へと延びる支稜と南クマネシリ岳西側の支稜が合わさる国境部だと勝手に地形判断して、倒木2本を跨いで三叉路を北へと直進すると薄い踏み跡がある。
 程なく国境稜線を空際に眺めると、右手の浅い沢筋に雪渓が延び残雪の感触を味わうと連続する標示テープを再び発見し、これで頂上が踏めるかも知れないと明るい空間に時間が流れる。
 雪渓が消えて、忠実に浅い沢筋に高度を上げ、倒木の根部分を抜けると1500m高点付近右手に岩部と稜線肩部へと続く鹿道があるも、沢筋沿線上に直進するとハイマツ帯に入り高所を実感する。
 尾根筋のハイマツ帯は、根曲がりを伐採した形跡が続き頂上部を目前にして管理された登山道があり、キバシャクナゲが出迎えてくれると展望が一気に広がり、この山魂独特の平坦台地尾根が残雪を見せて雄大に広がる。
 藪漕ぎを覚悟していたが、地元山岳会のハイマツ廊下の整備努力に感謝すると突
然、前方に岩稜部の南クマネシリ岳頂上があり、スレート状堆石の岩を踏むと小広い頂上である。
  頂上には、標石と「南隈根尻岳」の標識があり、大雪の山並みが白き景観に映え、静かなる展望を楽しみながら、この山は登山情報が極小で作業道発達による錯誤・頂上へのルート選択・藪漕ぎ等を覚悟していたが、地元山岳会の努力により予想以上の短時間で頂上に立つことができたと感謝する。
 暑い陽射しに下山し、林道から300m程奥の芽登温泉の露天風呂を味わい、奥深い一山を終える。

登り

林道終点

下り
1時間30分

1時間

頂  上

@ 林道終点から南クマネシリ岳南側の肩部
A 南クマネシリ岳頂上部
B 頂上標識とクマネシリ岳
C 西クマネシリ岳(左)とクマネシリ岳(右) 

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