道北の奥深き山
  
2001.10.14/単独
              
蕗の台コース「滝ノ沢林道登山口〜釜ヶ渕岳〜熊岳〜ピッシリ山」


   ピッシリ山は、道北地方では島の「利尻山」を除けば登山道のある山としては最高峰であり、日本海側の羽幌町コースと内陸側の支鞠内湖を見ての蕗ノ台コースの二本がある静かな山の代表である。
 我が名寄市近傍であるも初登頂と支鞠内の多角形の旧学校建物が改修されて時代変化を感じながら、林道に入ると複雑に広がる支鞠内湖の水面が秋の紅葉に映える。
 砂利道が12Km程続くと立派なピッシリ登山口導標から左折して滝ノ沢林道に2.6Km程で再びピッシリ登山口導標と右手に錠のゲートを見て直進800mで林道終点の広場が登山口である。
 登山ポストが木製の頑丈な作りで取手は彫刻で厚い板をくり抜き「熊が開けるのに便利」と覚えながら記帳するも下山まで人と逢うことはないと妙に確信して、浅瀬の沢を渡り、登山道が沢から離れると傾斜の強い道は直ぐに平坦な地形が続き、著書のロボット雨量観測施設への分岐を未確認のまま「大ミズナラの木」が朽ち果て倒れているが、幹は巨木にふさわしい面影を残し自然世界の世代交代を実感する。
 登山道が急峻となり落葉の布団状態で非常に滑りやすく、下山は苦労と短い傾斜を反復すると、静寂の原生林が黄色と支鞠内湖の灰色の水面が望め、高所の雰囲気を感じて右手へと方向変換すると釜ヶ渕岳振り返ると支鞠内湖への好展望台であるが強い雨に霞む。
 登山道が霧と雨に濡れる中、顕著な尾根道を感じ小起伏の連続に辛抱の時間帯が続き、視界が得られれば山頂へと続くたおやかな山並みが静寂に見事であろうとピークに笹道の登山道が幾重にも延びる。
 登山口から頂上まで8.4Kmの標識から約2Km間隔で黄色いの標識があり、展望がなく距離感が把握できない登山道には大変ありがたい。
 短いガレ場を過ぎ、足が重い急斜面を詰めると緩やかな尾根上が熊岳と判断し、下降すると背丈の高い笹道に頂上が間近と判断すると細いガレ場稜線を過ぎ傾斜が強めから緩やかに変わると突然広場に出て、ピッシリ山頂上標識「東西南北入りの細工」と水準点がある。
 頂上は、草地で支鞠内湖方面のみが展望を遮る事のない地形で、天候に恵まれれば、奥尻島・利尻島そして支鞠内湖の絶景が無情の雨とガス!!
 誰もいない風のざわめきに再び下山登山道に入ると左手眼下の白樺の木が冬を目前にして点在する奥深き光景が印象的と「熊野の鈴7800円」と会話しながら黙々と高度を下げるがピークの連続に近日の運動不足かピッチが落ちる。
 正面に支鞠内湖の鉛色の鈍い湖面が現在の私の一人歩きを更に孤独にすると感じつつ、原生林の樹海と紅葉に再び登山道に滑ると顔面程の大きな葉からイタデ・カエデ等の色づいた落葉の絨毯が続き晩秋の自然美に心がなごむ。
 沢音を聞くと登山口で、下山するまで私一人の時間であったが、登山道は広く整備されて距離標識も明確でこの快適な秋の山行ができた事に感謝する。
 帰路経路は母子里を経由したが、この方が砂利道は最小で経路としては、名寄市街から北に向かい国道40号線から母支里へと左折し母子里トンネルを抜けて母子里を直進し、白い橋を渡ると直ぐに旧JR蕗ノ台跡地の方向へ舗装道路から林道に入り右折すると立派な砂利道に程なく「ピッシリ登山口」の木柱がある。

@ 林道分岐直進
A ガレ場からヒッシリ山
B ピッシリ山頂上

所要時間  登り2時間40分

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