低山鋭鋒の遙かなる山
パンケ山は、ペンケ山と並ぶ道北地方600m級の三角錐の双耳峰で林道が頂上部まで延びているが、中川町の仕事関係先の名刺にパンケ山の鋭角的な冬山の写真に山容が非常に魅力であったと積雪時期の冬山を計画する。
国道40号線を北上して、中川町の高校から北側700mの中川砕石プラント標識から右折し、踏切を渡り2.4Km程広場が砕石場で直進すると林道であるが除雪はされていないと車中泊。
翌朝、可能ならば林道歩きを避けて頂上に立ちたいと砕石場からスキーシールで左手の道路に入り、高台の採掘場を回り込み、町営牧場の雪原を緩やかに登ると正面林縁上に三角錐の双耳峰が遠くに浮かび見事な山容だとピッチが上がり樹林帯に入る。
尾根筋歩きに標示テープ縛着と積雪量の多さに距離が延びなく体力だけが消耗する時間帯が続くと、高圧鉄塔の高台(321m)で、右手への尾根筋に方向を変えると高圧線沿いに積雪量の多さに周囲景観と一体化した林道を発見する。
左手に白きパンケ山の迫力を眺めながらの一人ラッセルには遠く、迂回しては時間が足りないと気持ちが先走りして失敗の始まり、凹地へと下降すると谷筋は深く腰までの新雪にむなしく抵抗する時間が過ぎ白き蟻地獄!!
引き返す事は無理と反対斜面にようやく取り付いて、トラバースの方向変換にも雪が軽く又深くと時間と体力が予想外に消耗するも斜面を切るだけで高度を上げられない。
ようやく高圧線を頭上に発見すると、ふんわりとした光る雪面に「白うさぎ」…ピンと立てた長い耳の中は黒くこちらを見ている!!…お互い一人者同士お話でも「白うさぎ、おまえさんにお正月はあるのかい」…と流れる汗に静かな空間が広がる。
ようやく林道に出るも気力・体力は尽きた感と高く遠きパンケ山を眺め、明日の再挑戦準備と林道筋にラッセルを延ばして引き返す。「0720出発〜0130下山」
翌早朝(0400)、寒気の暗夜に昨日の深いトレースを雪明かりに探しながら、農場雪原から樹林帯に入ると深い踏み跡の確認が難しくなり、スキーのTOPで探りつつ尾根筋から林道歩きに変わると周囲は薄暗いが、順調に昨日までのラッセル終点に到着する。
ここから先は、鹿とうさぎの足跡の雪原が広がり、植生がない所が林道かなと一歩づつのラッセル行進が再び始まり、このルートだと深い沢を避けての林道沿いの尾根しか方法がなく、更に北側から直接パンケ山への経路はと思い描く。
高圧鉄塔の唸りが響く単調な歩みが本当に遅く、頭を無状態にして緩やかな起伏に明るさが広がり、根気比べに念願のピーク斜面に直接取り付き、南峰ピーク頂上直下に林道を発見!!
この急斜面に林道工事とは…反面ありがたいと高所の厳しさを実感する厳冬期景観を北側へと回り込むと程なくセッピの張り出した細く狭いパンケ山頂上部である…長かった!!
残念ながら昨日の青空とは違い、強風吹き抜ける厳しさに体温低下が怖く森林帯へと逃げ込み黙々と引き返しながら、今年は随分と山歩きを重ねて、この山には苦労したが150座目になると…
来年の2月末まではクロスカントリー練習と大会参加で山も冬眠して、3月から200座へと03年中には達成したいものと消えかけたトレースに疲労の濃い足を運ぶ。(15時下山)
行動時間 1日目 6時間 2日目 11時間