豪快な北大雪の弧峰
屏風岳は、北大雪に位置し山情報が極小の登山道のない標高1800m級の山であり、この頂きには積雪期の尾根歩き又は夏季頃の沢筋がルートである。
登山口となる層雲峡の観光地「大函」駐車場から150m程奥の北電「層雲峡支流ダム」建物そばのゲートを抜けてニセイチャロマップ川沿いのニセイチャロマップ林道に自転車のペダルを踏むと層雲峡独特の桂状節理の景観を眺め、整備された緩やかな林道5Km程行くと左手にニセイチャロマップ川と勢いのある水流を落とす堰があり、実質の登山口であり、この先150mには河川にコンクリート橋の砂利が流失堆積した広場がある。
最初、堰右岸の危なっかしい丸太を渡ると滝出現、次いで堰・滝と短時間に連続し、右岸沿いに迂回するも、この先が大変と弱気になるが、連続した4つ程の堰・滝を過ぎると拍子抜けする程の広い河原歩きが山間に続き、正面に緑と白の色彩が鮮やかな緩やかな曲線ラインの屏風岳が青空に映え勇気が出る。
落差のある大滝を左岸沿いに鹿道を利用し簡単に越え、再び広い河原歩きに屏風岳を近距離に眺めて、実感となると今までは両側が山間に挟まれた地形であったが、屏風岳南側支稜が谷筋を2方向に分ける明瞭な地形結節点の標高940mの沢筋三叉路であるが、左手の沢筋は鬱蒼とした景観である。
左手の狭い沢に入ると流木の墓場状態で古い倒木を伝いながら15分程で抜けると柳の木々が周囲に広がり、程なく正面北西へと谷筋が延びるが、高度1060m付近から北へと進路を変えると沢歩きも本格的になり、連続した滝が出現して、右岸・左岸へと迂回を繰り返すと時間が予想以上に流れる。
花弁が散る桜を眺め、木々・笹に掴まり鹿道を利用しつつ高度を急激に稼ぎ、谷筋雪渓に上がる最後の大滝を迂回して雪渓で沢靴から登山靴に履き替えてアイゼン・ピッケル装備で沢筋延線の雪渓を見上げる。
一直線の雪渓は、頂上へと近づく程に勾配を増して、私の技術では沢靴では到底無理だと思いながら、雪渓分岐を右手に進路を変えて非常に強い陽射しに一歩々づつ慎重に重たい足を運ぶ。
頂上部稜線まで雪渓が延びて藪漕ぎの苦労がなかったとハイマツ尾根に上がると尾根反対側に平山・ニセイカウシュッペ山等の展望が突然広がり思わず感激の声が出る。
尾根筋の北斜面は、シャクナゲ等にて植生が低く、程なくこんもりとした屏風岳に到着、低ハイマツに囲まれた頂上部には標石があり、青空下に表大雪の一連の山並み・武華岳・武利岳・音更山等の景観を味わいながら憧れの頂きだと乾いた喉を潤す。
帰路は、H氏/札幌が推奨する循環路の未知の沢筋を辿るか、往路を引き返すか迷うも下りであれば滝等の障害を上部から迂回し易く又少しの冒険心も沸いて、西尾根へと少し高度を下げて急斜面の沢筋に下降を開始する。
登りより、勾配の強い沢筋の雪渓にゆっくりとアイゼンを効かせるも緊張の時間帯が続き、高度1240m付近まで標高差550mの一直線の雪渓を終えて、沢靴に履き替えて程なくニセイチャロマップ川に入ると連続する滝のしぶきが暑さに心地良いと迂回等を繰り返すと黒いナメ床もあり、沢自体はこちらの方が楽しめると思いつつ、木々に掴まり迂回しているとピッケルが滝壺に落下!!何でだろうと不思議に眺める。
安物のピッケルであるが、本州の山歩きから長年使用し愛着があるも回収は無理と諦め、滝も消えた時間が続くと懐かしい沢筋三叉路(940m)である。
登り 大 函
(自転車)下り 25分 20分 ニセイチャロマップ第1川 1時間10分 55分 谷筋三叉路(940m) 1時間55分 1時間40分 屏風岳頂上
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940m分岐手前から屏風岳
A 登り「沢筋と頂上への雪渓」
B 屏風岳南西側ピークと大雪山(お鉢平方面)
C 下り「1250m付近からの沢筋雪渓
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