主稜線外れの鋭鋒
        
2000.9.30/単独    
                      2112M

愛山渓温泉登山口〜三十三曲分岐〜滝ノ上分岐〜永山岳〜愛別岳〜沼ノ原


 愛別岳は、主稜線から派生する分離した山であるが、縦走路からはその尖った山容を深い谷向こうに見せ、誰しも緊張感に足を延ばしたい山である。
 早朝、車中泊の窓から冷気が流れ込み、遠くに峰々の線が秋空に映える愛山渓温泉から林道に入ると程なく松仙園との分岐点を直進して登山道に変わり、樹林帯に緩やかに高度を上げ沢筋に紅葉と渓谷美を楽しみつつ、数度沢を渡ると三十三曲分岐で登山道を分けて沢音を聞きながら、遠方に落差のある滝が一つ次いで前方の稜線の空際に明るさを感じると二つ目の滝であり、岩でゴツゴツとした巻き道に足を滑らせながら沼ノ原への分岐を「永山岳」へと左折して向かうと大斜面に本格的な登りが始まる。
 この時期、本格的な秋の季節、冷え込みが強く、霜柱が立ち溶けると、土も岩も滑りやすく又泥濘地化するので、悪戦苦闘するも高山の臭いを感じ、振り返ると大きな高所平原「沼ノ原」の水面が光って点在し、ヤッパリこの空間はいいや!!汗をかいた者だけに与えらる自然の景観が広がる。
 永山岳から派生する山肌に長い登りが続き、崖と愛別岳を見ると岩砂礫の永山岳で、岩綾群の大断崖の山が半円を描き連立し、その落ち込んだ中心にポッツリと鋭峰の「愛別岳」、それへと続く細い稜線に凄みがある。
   再び砂礫斜面に断崖沿いの登山道を踏ん張ると安足間岳肩部の分岐点で比布岳へと幾つかの緩やかなコルを過ぎる稜線歩きに下ると、地面に小さな導標、愛別岳とへ続く細い稜線が一旦深く落ち込み北海道では珍しい「危険な山」で迫力があり、ザレ場を一気に降下し、底から眺める断崖に登山者が高く小さい。
 幾つかの岩綾を越えると、岩場の「愛別岳」がそびえ、急峻な岩綾地帯を慎重に高度を稼ぐと愛別岳であり、小広い頂きからは、眼下に上川町が遠望でき、振り返ると北鎮岳・綾雲岳そして北大雪等青空の下に雄大な景観が広がり、この風だけが流れる静けさに時間が止まる。
 分岐までのきついガレ場の登りから再び断崖の稜線に立ち、永山岳から一気に下降し、沼ノ原へと向うと沼巡りの登山者が紅葉の大雪山を背景に湖畔で秋を楽しむのどかさが広がり、秋空の山の一日に感謝をし、秋の臭いと紅葉の色彩の変化を味わいながら下山し家路につく。

@ 愛別岳
A 稜線から愛別岳ルート
B 愛別岳

C 愛別岳から永山岳
D 愛別岳から比布岳
E 沼ノ平
 
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