ナキウサギの大雪山
   
1999.7.3〜7.4/単独
    2158M/2229M/2078M 

銀泉台コース「赤岳登山口〜駒草平〜赤岳〜小泉岳〜白雲分岐〜白雲岳〜白雲岳避難小屋」


    前夜、層雲峡「銀泉の滝」で車中泊し、山間部の長い砂利道末に登山口となる銀泉台ヒュッテは深い霧に覆われている。
 登山事務所で白雲小屋一泊と記入し、自然保護の観点から工事中止となった大雪山縦貫道路の一端を見せる林道に入ると、残雪の登山道に変わり「雪の多い年」の象徴を踏みながら岩場の登山道から雪渓の連続を越えると涼しさの中に雪の感触を楽しみ又滑落の緊張も感じる。
 高山植物が霧に濡れて可憐な容姿を見せ、ダケカンバとハイマツの原を抜けると、雪渓と花の贅沢な時間帯が続き、圧巻は平坦な台地の「駒草平」であり、コマクサ・シャクナゲそして小さな花々が一面に静かに咲き乱れ、これ程の大規模な「花園」は、日本で有数と報道される大雪山ならではと溜息である……。
 大雪渓の連続に息もつらいが、可憐な花の世界に足も進み、一帯が岩山となる平坦な台上分岐の岩山の頂きが赤岳!!であり、霧そして霧である。
 赤岳分岐からは、小泉岳へと広い岩稜の平野と言った感の尾根に「ナキウサギ」を初めて見て感激し、岩のトンネルから顔を出すのをジィ−ト待つと耳を丸くして上空を警戒し固まるその姿がいじらしく可愛い……時間を忘れる……この時の写真は「ナキウサギの姿が小さすぎ…残念」道沿いの花が続くと、特徴のない平坦な砂礫地に小泉岳で、これ程頂上感もなく不明な山も珍しい。

 
白雲岳分岐から直進し、大岩場一帯からのクレ−タ凹地歩きに広大なシャクナゲ畑で、大雪渓を眺めて頂上直下の大岩を越えると、白雲岳頂上で、眼下に大雪山ならではの広大な奥深き樹海景観の広がりを感じる。
 白雲岳の鋭い稜線に張り付いた大雪渓歩きから、分岐へと引き返し、天候回復は望めないと判断、下山と「赤岳」にかかると「黒岳・北海岳」が緑と白のコントラストに映え、その姿を眺めて山小屋一泊をと引き返し、雪渓を下ると中世のヨ−ロッパの砦を思わせる「白雲避難小屋」が白銀の世界に見える。
 小屋は8名と同泊で、夕食時「シマリス」が忙しく動き回り、水場は小屋から下った雪渓で2m程の雪下に水がながれ、本当に今年は雪が多いと、前回は周辺にテントが点在した頃だと……実感する。
 翌朝、霧雨状態であり、雨衣の完全防備にて昨日の登山道を引き返すと花々が塗れて映えるのを眺め「赤岳」で最後の山並みと休憩していると一気に空が上がり、大展望の世界……白と緑のコントラストが雄大であり、これが雲上の世界!!……高所人に提供される自然の景観である。
 雪渓で足滑り・尻滑りを楽しみながら花園の連続に心をなごませる贅沢な時間帯に終わりを下山記録に記入し、天候は味方しなかったが、経験したことのない花山行を終える。

@ スケッチ「白雲避難小屋」
A 第1花園付近雪渓
B 赤岳分岐から赤岳
C 同上

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