玄人好みの東大雪連峰
      
1999.9.5〜6/単独 
        1745M/1932M/1966M

十勝三股〜十石峠〜ユニ石狩岳〜ブヨ沼〜音更山〜石狩岳〜シュナイダーコース〜十勝三股


 大雪山系で、石狩連峰は珍しく非火山性の山であり、鋭い峰に深谷と深い原生林を抱き、周囲の山並みからもドッシリとした大きな山容は存在感があり、特に「石狩岳」「音更山」は鋭鋒として玄人好みの魅力がある。
 早朝、この方面の車中泊とする小さな集落「十勝三股」バス停で仮眠し、登山口となる「二十一ノ沢」からテント装備で音更川沿いの林道を30分程程引き返して作業道跡へと左折して、林道を十国峠に向かうも鬱蒼とした原生林に笹に覆われた道の朝露にびっしょと濡れる。
 それにしても凄い道であり、踏み跡が薄く身の丈を越える草木に旧林道跡が覆われ、こんな道はと俄然不安感に陥るが他の登山者の気配はなく、周囲の景観に登山道と確信しながら無理矢理に進む…!!!
 作業場と言われる作業道終点から本格的登山道へと方向変換し、沢水で喉を潤して太陽の陽射しが強い。
 この先も又大変…笹に登山道が完全に覆われて東大雪山特有の急登を直線的に登る時間帯にテントが重く、急斜面に登山道が明確になるとハイマツ帯に変わり、深い原生林の凹地越しに名峰:ニペソツ山が印象的である。
 周囲の景観に高所と人気を感じて急斜面を頑張ると太陽が明るく小広い十国峠でへたな山頂より展望が見事な峠である。
 荷物をデポして眼前のユニ石狩岳へと樹林のコルへ下ると意外と多い登山者に訪ねると、層雲峡側のコースは変化に富み短時間に頂上に立て、大半の登山者が利用しているとの事!!知らなかった。
 樹林からハイマツ帯次いで砂礫地の急登尾根にかかると程なく狭いユニ石狩岳頂上であり、山頂からは、音更山・ニペソツ山・ウペペサンケ山等が太陽の下に雄大に広がり、縦走気分が高まる。
 十石峠から宿営地のブヨ沼へと二つのコブを越え、コル部の小さな濁った「ブヨ沼」とテント場があり、キャンプには水が必要と東側へと薄い踏み跡を頼りに五分程下がると細い沢筋に命の水があり、有り難いと痛感する。
 夕暮れが迫る頃に4人組パーティが到着、北海道の山においては白雲岳のテント場以来の野宿であり、そのときは小屋と沢山のテントがあったがと夜が長い…!!
 翌早朝、朝だ!! 朝だ!! 外が薄明るい!! 晴れだ!! 空気がおいしいぞ!!
4人組パーティが先行する中、朝食を採りながら北海道の縦走は自分以外の力を借りる機会は希少であり、登山本来の姿を実感させる貴重な山行と音のない宿営地を離れる。
 ブヨ沼を背に藪こぎ状態で最初のコブを越えると、標高差の大きい山容の音更山等の全貌が見え本格的に石狩岳連峰の核心部に入るのだと心が躍るが、登りの斜面が大きく傾斜がきつそうだ!!
 ダケカンバ林まで一気に高度を下げてから、再びハイマツ地帯の登りに汗を流すと著名な岩場に展望が開け、辛抱の急登に一段と高度を認識すると砂礫地が広がる平坦地に変わり音更山の丸みが見える。
 最高の気分!!岩だらけの音更山頂上からの石狩岳は絵になるが、霧に霞み写真を楽しみにしていたが残念!!と石狩岳への中間コルへと大きく下降し、「二十一ノ沢出会」分岐から見上げる高さに驚きながら、左側が落ち込んだハイマツの岩場ルートに着実に高度を上げて振り返ると高度感の中、昨日から歩いた山並みが続く展望にこの石狩連峰の大きさを知る。
 頂上は、岩綾の狭い頂きで霧に濡れて静寂そのものであり、長く寂しい道程であったと思い返し下山する。
 分岐からのシュナイダーコースは、標高1770Mから一直線に下降の急峻ルートであり、当初は岩場に鎖次いで原生林内の登山道は根曲がり等で予想以上に足を使うと「二十一ノ沢」のせせらぎに出て、思わずザックを降ろして座り込み、大きな山行だったと縦走路を思い返す。

@ 十国峠
A 十国峠からユニ石狩岳
B 音更山
C ブヨ沼ピーク部から音更山
D 音更山
E 音更山から石狩岳

 
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