軍艦台地の歩き
長大な稜線を持ち、航空母艦の甲板を思わせる独特の平坦な山並みに興味を覚えていた山の登山道は、糠平コ−スと菅野温泉コ−スの二本あるが、前者登山口へと国道273号線で糠平町手前標識に林道山深く車を走らせると林道脇に、目立たない登山口標識があり、樹林帯に足を踏み入れると、そこは北国特有の奥深き針葉樹の世界である。
冷たい湧き水を補充し、変化のない斜面の登山道に高度を稼ぎ1339mの小ピ−クに飛び出ると、眼下に糠平湖が望まれる。
1610mビ−クは大きく高く、ダケカンバ林のコルの向こうにそびえ、道中一番の辛い場所で一端高度を下げ、ハイマツ地帯の登りにかかると非常に足が重いが、面白いように高度を上げていくのを感じられ、傾斜変換線を登りつめると、眼前にゆったりとした稜線が秋の気配を感じさせる色合いの景観に糠平富士がのびやかに雄大な空間にその山容を見せる。
ここからは、この山独特の約4Kmに続く稜線歩きの世界であるが、ハイマツの根曲がりに足を取られ、時間を要すると菅野温泉コ−ス分岐であり、温泉からの登山道は短時間にウペペサンケ山に立つことができるコ−スとして大半の登山者が利用し、特に菅野温泉は、メデイァにも紹介されるが、渓流沿いに点在する「壺風呂」が山奥の情緒も加わり、隠れた人気がある。
気分爽快の稜線歩きが続き、ハイマツが薄くなり、岩礫地帯に変わると高山の雰囲気を醸しだし山頂は近い。
頂上には、ウペペサンケ山標識が建ち、登山者の多くはここで引き返すが、地図を見ると、この山は「糠平富士」であり、西へ続く細い岩稜稜線の続きに本当のウペペサンケ山が見え、自然に足が心許ない危なっかしい稜線へと向かう。
予想以上のアップダウンのコ−スに風が冷たく、風上の遠方にニペソツ山の鋭峰が見え、特徴のない最高点に立ち、約4Kmのゆったりとした頂稜を時間を忘れて歩ける山であると辿った道を追う。
@ ウペペサンケ山
A 糠平富士
B 最高点から糠平富士
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