日高南部の静峰
広尾岳は、日高南部に位置して登山道は薄い踏み跡程度で、ルート情報も極めて薄い山であり、Haさん管理のHP「甘藷岳山荘」にてこの山情報を見つけて、引用すると「昭和41年に広尾山岳会によって開かれた登山道があるが、ほとんど整備されていない。しかし、何とか利用できるので紹介します」に始まる山行記録を、幾度も読み返しながら地図を眺め、遠き日高への道程に念願の頂上であり、参考とさせていただいたHaさんに感謝いたします。
登山口へと国道236号線を南下して広尾町市街地の「本通り8丁目」信号から右折、道道987号線に入り寺・学校を右手に見て道なりに舗装道路を進み、6Km弱の舗装道路正面の冬季用封鎖ゲート手前から左手Y字路砂利道に入ると走りやすい道が西広尾川沿いに続き、左手に大きな砂防提を3つ程眺めて、光栄橋から900m先地点に林道が続くが、左側の西広尾川河原に入ると直ぐに標示テープが一杯ある少し先の駐車スペースがあり、対岸に作業道が林に見える地点が登山口であり、広尾町市街地から12Km程又砂利道から6.8Kmである。
広めの西広尾川の渡渉は素足で渡り、登山靴を履いての林道歩きに変わると程なく白看板に文字が薄い「広尾岳登山道/広尾山岳会」標識を見て、150m程で西広尾川沿いの荒れた林道崩壊地点に谷地が狭小となる手前の小さな沢を渡り、フキをかき分けると再び作業道歩きに変わる。
作業道に、背丈の高い笹藪トンネルと草道歩きを繰り返すと林道終点の西広尾川支流で、倒木丸太が沢に橋状態で横たわる向こう側に尾根取り付きの標示テープと斜面に明確な踏み跡がある。
登山靴を濡らす事のない沢を渡渉して笹・木を補助にし、標高差50m程の急斜面を一挙にアルバイトすると尾根筋に上がり、標高410mであり、この先は中濃密程度の背丈の高い笹藪が標高550m付近まで続く。
尾根筋の薄い踏み跡と点在する標示テープを確認するも、持参のテープも補助にしつつ高度を一定に上げる。
登山口から1時間程で笹藪も薄く低くなり、高度550m付近からは笹丈も低くなり、程なく緩やかな明確な尾根歩きに変わると踏み跡が明確になり、頂上に辿りつける気持ちが沸いてくる。
道筋は、鹿道も入り組むが忠実に尾根を伝い標高980m付近の岩を越えて、尾根筋が狭くなる標高1080m付近で初めて、樹木越しに頂まで木々に覆われた緑濃き広尾岳頂上部を眺め、頂上部を実感する。
浅いコルからは、頂上直下まで岩稜尾根が続き、この上を歩くのはと勘弁と踏み跡を西側に見つけ、高度を上げてハイマツ帯手前からは再び稜線を伝い、踏み跡が確かな短いハイマツ帯を抜けると窪んだハイマツに囲まれた頂上部である。
登山口から1時間程は、この先前途は多難と思いつつ、黙々と高度を上げての頂上であるが感慨深く、濃霧に全く展望が得られないと煙草を煙らせる。
下山は、霧の中に標高600m付近から高度を下げるに従い、少しずつ背丈の高い藪漕ぎに変わり、尾根中央をと方向をつけるが意外とズレて緊張しながら、標示テープを回収しながら沢筋に出ると一気に疲労感を覚える。
登り 渡渉点
下り 3時間10分 2時間 広尾岳