湿原・岩稜の静峰
    
2003.07.05/単独
 
1505m/1985m/1894m

沼ノ原登山口〜分岐〜沼ノ原山〜沼ノ原分岐〜根曲がり廊下〜ニペの耳JP〜川上岳


   ニペの耳と川上岳は、東大雪の核心部であるユニ石狩岳・音更山・石狩岳の南方に位置するも、主に縦走経路等の途中にて踏まれ比較的訪れる者が少ない山であり又沼ノ原湿原南側には特徴のない沼ノ原山があり併せて計画する。
 国道273号線より高原温泉の看板に林道を石狩川川沿いに3.6Km程で高原温泉方面とのヤンベ分岐で、左手の林道入口にゲートがあり鍵を開けて進む。
 更にクチャンベツ川沿いの走りやすい林道を8.8Km行くとバイオトイレが建つ登山口広場である。
 小屋脇の良く踏まれた登山道に入り、クチャンベツ川の2つの丸太橋を渡り、緑豊かな周囲景観に緩やかな道筋が延びる。
 程なく根曲がり・岩混じりの急登が続くと「沼ノ原まで2Km」標識から等高線が一気に
広がる湿原台地特有の緩やかな登山道に変わると湿原入口には木道である。
 木道にコツコツと登山靴が響き、朝早きかな涼やかさ、遠望のトムラウシ山等の一連の山並みが点在する池の水面に映し出され、情緒溢れる静寂さである。
 左手に石狩岳等の山並が連なり、距離を眼で追い遠いと実感しつつ、沼ノ原分岐から石狩
岳方向へと緩斜面の笹道登山道に程なく、小規模の湿原が広がる沼ノ原山分岐である。
 ぬかるみに足を取られながら、笹道の登山道に入ると意外な程に良く踏まれた道筋が延びて、樹林の間隙正面に沼ノ原山北側ピークが見えるとコル部へと左手の岩塔を見つつ高度を下げ、薄くなった踏み跡が山腹を回り込み、ヌプシトムラウシ温泉へと続く登山道であろうか 途中から直登斜面に踏み跡が下草が生える斜面に続き、これより頂上までは踏み跡が薄い。
 低灌木・笹の尾根を左右に渡り、意外な程の奥に何の表示もない丸太杭の窪地が沼の原山頂上部であり、広大な樹海の台地越しに大雪・十勝連峰が広がり又ニペソツ山の鋭い尖りが傾いている。
 沼ノ原山分岐へと引き返して導標に石狩岳方向へ 湿原台地に点在する泥濘部分もあるが、程なく湿原台地からニペの耳とのコルに向かうと当初は急激に高度を下げ次いで根曲がり廊下は広く刈り払いがなされ、緩やかに高度を下げる時間が続くと水場標識がある。
 最低鞍部
からニペの耳まで標高差大の登りにかかると道筋は明確であるが、登山道を笹が覆う。
 笹払いの辛抱の時間が続くと高度1500m付近から展望が開け次いで高度1600m付近からは、ニペの耳北側ピークが岩稜続きの向こうに高度感を持って眺める。
 アップダウンを繰り返し高度を上げ、岩稜尾根の細い部分もあるが問題なく通過し、振り返ると沼の原山の全容を初めて確認する。

 ニペの耳は双耳峰として遠
方より眺められるが、双耳峰手前ピークの山腹を切りながら本峰とのコルに高度を上げると岩場のニペの耳である。
 頂上部からは、ニペソツ山の尖りが迫力ある山容を見せ又石狩岳へと連なる端正な稜
線が魅力があり、奥深き高所に汗が流れる。
 川上岳へと尾根筋を
外れた緩やかな登山道沿いには、コマクサも点在し正面に石狩岳・音更山を懐かしく眺めながらの時間が続くとハイマツに覆われた丸みのある地点が川上岳であり、頂上部はとハイマツを漕いで探すが不明であり、東側斜面に出る。
 登山道反対側の東斜面は、花畑が雪渓
斜面に広がる中、ニペソツ山の山容を眺める非常に快適な場所でありテント場適地もある。
  帰路へと石狩岳への魅力ある稜線を振り返りながらの遠き道程の始まりであり、根曲がり廊下の暑い陽射しに重くなった足を運び
、沼ノ原分岐にやっと到着する。
 人気のない沼ノ原分岐の木道に裸になり日光浴!!ワタスゲの白さが何とも柔らかそうで、床屋さんの耳掃除に使う綿棒みたい…音のない時間が流れる。

@ ニペの耳西尾根からの沼の原山(手前左)
A ニペの耳
B ニペの耳から川上岳と石狩岳
C 川上岳から石狩岳と音更山

沼ノ原登山口

登り

1時間05分

下り

4時間

 

沼ノ原分岐

13分

沼ノ原山分岐

30分

沼ノ原山

25分

 
沼ノ原山分岐
2時間35分

ニペの耳

30分

 

川 上 岳

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