展望の稜線歩き
晩秋の時期、層雲峡から愛別温泉までの連山縦走へと、上川町からバスで層雲峡に向かい、黒岳への通い慣れた景観に、登山道に入ると頂上は初雪の名残が山肌に見られ、気温も0度前後と冬へと衣替えへの準備である。
黒岳石室を覗くと火の気がない文字通りの石部屋で、夜の厳しさを覚悟と荷物を確保して、夕刻に小屋裏の桂月岳へと低ハイマツをトラバースすると標高差50Mの岩が点在する桂月岳頂上で夕刻に黒岳の断崖が迫力ある。
夕食を済ませると衣類を全部着て灯りもないので早々と就寝する。
翌早朝、秋晴れの冷気の中、北鎮岳へと霜柱が立つ平坦な雲ノ平登山道からナナカマドの紅色に目を奪われて、音のない世界が続くと「お鉢平」回りコースへの北鎮岳山腹分岐へと高度を一気に上げると、火口のお鉢平越しに旭岳が遠望されて風が冷たく、雨衣を着て北鎮岳への砂礫急登にかかり、ケルンと頂上標識の北海道2番目の標高を誇る北鎮岳頂上であるも急激な霧の発生により、残念ながら展望は得られない。
鋸岳へと頂きから山腹を回り込むように下り、鋸岳の鋭角な岩塔を右手にとり、比布岳との広いコルは比布平で、夏期ならば高山植物が百花となる場所で、大雪山の大きさを実感する。
比布岳へと高度を上げると、景観は一転し草木のない岩石の索漠とした空間の世界であり、稜線が安足間岳まで続き、この辺りから愛山渓温泉方向から日帰り登山者の姿を稜線上に散見されると比布岳で、愛別岳へと落ち込んだ稜線が迫力あり、愛別岳の鋭峰に興味を覚えながら永山岳分岐の安足間岳で広いなだらかな尾根歩きから当麻岳を過ぎると当麻乗越付近まで短時間に高度を下げるとピウケナイ沢の湿原沼が紅葉に映え見晴しの良い場所である。
当麻乗越から一気に高度を下げ、笹藪の足場の悪い沢筋登山道に奇岩を見ながらの時間が続き人の気配を感じると、ぬかるみから木道に変わり、静かな水面に鮮やかな紅葉を水面に映す「沼ノ平」である。
八島分岐で左折し、三十三曲がりの急斜面から沢沿いの登山道を下り、黄色や紅の紅葉を再び楽しむと広場は愛山渓温泉である。
今回の縦走は寒かったけど、本日の午前中からは天候に恵まれて良き山行ができたと上川町へと向かうバスに揺られる。
@ 遠望
A 比布岳
B 愛別岳
C 沼の平
D 同上
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