湖群と連山縦走
      
1998.10.6/単独
  1116M/1134M/1080M
           
「五色温泉〜イワオヌプリ〜ニトヌプリ〜チセヌプリ〜長沼〜神仙沼〜大沼〜五色温泉」


 早朝に息が白く、宿泊した山の家は朝まだ眠っている静けさの中、赤肌の岩綾地帯に敷設された階段を登り、灌木林の白い花崗岩の登山道を振り返るとニセコアンヌプリが緑に聳える。
 窪地のイワオヌプリ分岐から岩稜地帯を登り詰めると、広い火山灰の砂礫台地のクレ−タ向こう側に、頂標の古木が一本なだらかな稜線上に見える。
イワオヌプリ頂上から、前日に羊蹄山を終え宿泊した「ニセコ山の家」が見え、風が冷たく、分岐へと引き返し「ニトヌプリ」へと直進すると、凹地状の灌木地帯は静かな雰囲気に陽差しが心地よく、気持ちが落ち着く場所でもある。
 急な笹尾根の登山道に足を取られながら、小広いお椀状の円錐形の頂きがニトヌプリであり、頂上からは昨日寒さに震えた初冠雪に白く薄化粧をした羊蹄山が高く周囲には「ニセコ連峰」が秋晴れに映える。
 更に西のチセヌプリへと笹道の急斜面に滑りながら、急激に高度を下げ、岩のゴツゴツした足場の不安定な登山道から国道を眼下に見ると「チセヌプリ」登山道入口があり、しばし道路沿いの陽溜まりで休憩するが初めて人の気配を感じる「山」である。
 急登の連続で大岩を越え高度を確実に上げるとチセヌプリ頂上であり、他の登山者と一緒になり、日本海を望みながら踏破してきた峰を眺めしばし腰をおろす。
 これからは、三っの沼巡りへと太い笹のトンネルをくぐり抜け、高度を徐々に下げると正面にその名の通り細長い「長沼」で、秋の静けさを一層感じさせ、広い砂利道に出て南端の木道から眺められる「神仙沼」が紅葉に見事に映え絵になる景観に時間を忘れる。
 笹道に足を取られながら、湿原地帯と樹林の勾配を登り返すと奥深き大きな「大沼」が周囲の山々を写し、水面の向こうには本日最初に登った「イワオヌプリ」が硫黄肌を見せている。
 白と火山灰色の独特の雰囲気の中、開豁した登山道の最後の登りを終えると眼下に出発点の五色温泉を懐かしく眺める。
 昨日の羊蹄山は、初冠雪と天候が味方せず頂上を踏めなかったが、本日は風は冷たいが絶好の秋晴れの下、ニセコ連峰と各沼を縦走し十分に堪能した山行を終える。



@ イワオヌプリ・ニセコアンヌプリ
A 神仙沼
B 大沼
C ニトヌプリ・イワオヌプリ
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