道都名の妙峰
        
2002.4.27/単独
              
冷水沢コース「登山口〜台風高原〜冷水沢〜冷水小屋〜札幌岳」


札幌岳は、名前が都会的であり隣接の空沼岳と共に大きな山魂を見せ登山道は、台風高原と珍しい地帯を横切る。
 台風高原とは、1954年9月の台風15号【洞爺丸台風】の際に、この付近一帯の樹木をなぎ倒した経緯があるが、現在は鬱蒼とした樹林帯で往事の面影はないという……余談ながらこの台風15号は、別名「青函連絡船の名:洞爺丸台風」とも言われ、洞爺丸乗船員1430名中1155名、他の船を合わせると1430名の犠牲者を出し、タイタニッ ク号の1502名の犠牲者を考えても大変な海難事故であった。
 無意根山を下山し、国道230号線を定山渓へと向かい豊平峡看板を右折し、左手に水車のある豊平峡温泉を見て分岐を左に行くと台上に札幌岳登山口があり、トイレと広い駐車場がある。
 春の陽気の中、緑の大地を感じつつ緩やかに沢筋を樹林地帯へと入ると登山道は固い雪上に松枝等で隠れている。
 林道に出ると造林作業道の拡充作業車が見えて、右手の沢音が心地よく響き夏道から沢筋へと積雪期特有の冷水沢沿いコースの足跡を雪面に確認する。
 初見参の山で素直に道筋を渓谷沿いにたどると谷筋に冷水小屋が雪景観にひっそりと建ち、夏道は小屋裏から1153高地までの急登であるが、この時期は谷筋の直進へと踏み跡が続き、引き続き沢沿いに高度を一気に上げると札幌岳から西に派生する広いのびやかな尾根に出て、左に折れ広い雪面尾根を疎林の中に高度を上げ東南方向に疎林帯を緩やかに登りつめると小広い岩混じりの頂上である。
 頂上からは、正面に空沼岳・右手に恵庭岳・台地の漁岳等そして札幌市街地・羊蹄山への展望が広がる。
 帰路は、沢凹地へと地形的に迷う事がなく谷筋に足を踏み入れて気持ちを大きくして下山する。
@ 冷水小屋
A 沢上部の広尾根
B 頂上から空沼岳と恵庭岳
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