東大雪の静峰
2003.08.21/単独
1578m
温泉口(渡渉点)〜岩間温泉〜音更川支流右沢〜1488P〜温泉岳〜温泉口
温泉岳は、東大雪に位置し石狩岳連山とニペソツ山の中間に聳える標高1578mの知名度低き山であり、山麓には隠れたる秘湯「岩間温泉」がある。
この山を知るのは、著者:八谷和彦氏「ガイドブックにない北海道の山50」(積雪期の登頂記録)であり、石狩連峰のニペの耳JPからニペソツ山方向へと南側に尾根筋を辿ると1578mとあるのが「温泉岳」であり、夏季ルート情報は皆無であるが、山名に妙に惹かれ又山懐のワイルドな岩間温泉にも魅力ありと計画する。
実は、先日の利尻山で北海道の山199座を数え、200座目はと思案していたが、今年の春山以来多少なりと登山道のない山歩きを続け、この際耳にした事のない山も風流と登山口に向かう。
石狩岳シュナイダーコース登山口の音更川に架かる御殿大橋から1.7km程林道を走ると音更川右岸に「岩間温泉」の木柱が豪快に建つ渡渉点で、通常はここが温泉口(駐車場)となる。
地下足袋にMTBを担いで渡渉した音更川左岸の林道は、荒れたダートでMTBと一緒に歩くとで程なく硫黄の臭いが漂い、10分位で対岸斜面下に無造作な脱衣所のある野生味溢れる露天風呂「岩間温泉」があり下山が楽しみ。
更なる荒れた廃道の林道にMTBを諦めて、渡渉を幾度か繰り返すと正面高くに石狩連峰ニペの耳JPを眺め、左手へと音更川が屈曲する明るく広い開豁地の広場である。
広場を直進すると右手へと作業道が延びるが、高度960m付近から音更川右股支流の沢に入渓すると時折、左岸沿いに寸断された林道もあるが標高1030m付近で終わりとなる。
滝も難しい場所もなく魚影を見ると、標高1175m付近で温泉岳北斜面からの小さな沢を伝い直接頂上へのルートをと地図を眺め思案する(下山路にてこの沢が最短で藪なしと判明)が上部にて藪に遭遇した際の標高差を考え、高度を上げるに容易な沢と引き続き直進し1488Pから温泉岳へと尾根筋を辿ろうと決心…これが予想以上の濃密な藪に遭遇する事となる。しかし温泉岳の山容を眺めるにはこのルート!!
水流豊かな沢も高度1340m付近からは涸沢となり、藪に突入してニペの耳JP南側の1717Pとのコルに出ると石狩連峰が高く大きい。
藪漕ぎから高山植物に覆われた丸みのある1488Pは、展望を遮る樹木なしで、温泉岳越しにニペソツ山が鋭く又表大雪等の雄大な展望景観に爽やかな風が吹く。
1488Pから温泉岳への尾根筋は、終始に渡り非常に濃密であり、鹿道も散見するが時間と体力ばかり消費し距離が延びない辛抱の時間が続くと尾根上コルに小さな池があり、鹿の水場であろう足跡がある。
藪漕ぎと妥協のない格闘時間が頂上直下の低ハイマツ帯まで続き、温泉岳頂上はと探すと標石がハイマツの根元に頭部分だけ見せ埋もれている。
ハイマツに囲まれた頂上から展望は得られなく、南斜面でニペソツ山を眺めて昼食である。
下山ルートは、頂上部から音更川支流右沢へ直接降りようと温泉岳北斜面から石狩連峰の雄大な山容を正面に眺めて凹地的な斜面沿いに下降する。
シダと密度の薄い灌木斜面が音更川支流右沢の出合いまで続き、このルートが勾配が一定に強いも非常に歩き易く又鹿道も発達してBESTと痛感しつつ、高度1180付近から沢水が流れる短い沢に高度を落とすと出合で高度1160付近である。
出合からの温泉岳北斜面への沢入口には、大木が横倒しになり、良き目印となると往路の沢筋に緩やかに高度を下げると明るい大広場である。
岩間温泉はムシロ囲いの脱衣所があり、硫黄泉と沢水を引いた素朴な風情に「湯の花」が乳白色の湯に舞い、弧歩を振り返りながら、北海道の山200座達成と静かなる無人の湯に浸る。
温泉口 |
10分 |
岩間温泉 |
50分 |
広場 |
1時間40分 |
稜線コル |
1時間50分 |
温泉岳 |
温泉岳 |
50分 |
音更川支流右沢出合 |
1時間10分 |
広場 |
45分 |
温泉口 |
時間は参考程度 |
@
広場から石狩連峰
A 1488Pから温泉岳
B 温泉岳からニペソツ山
C 岩間温泉
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