濃緑の円錐形高峰
活火山の荒々しい山肌の雌阿寒岳に対して、阿寒湖湖畔に垂直方向の山容と緑豊かな雄阿寒岳であり、双方が対峙し、二山で一つとして比較対照される山でもある。
翌朝、設備の充実した宿泊地の湖畔キャンプ場から、国道240号線にて弟子屈に向かうと程なく国道脇の大標識に登山口となるマリモで知られる阿寒湖の水門を渡り、太郎湖を左手に見ながら山腹を切ると次郎湖であり、鬱蒼とした深い樹林地帯の尾根斜面に高度を上げる。
平坦地に変わると一合目の標識次いでジグザグにひっそりとした静けさの二合目と親切な標識が案内してくれて、四合目標識で初めて視界が開け、樹林の間から阿寒湖畔のホテルそして遠方に雌阿寒岳が望まれる。
急斜面・岩場越えそして平坦地と変化があり、五合目標識からはハイマツ地帯となり、上部の尾根筋も見えだし高山の雰囲気になってくる。
傾斜変換線からの山腹の裾野を切るように高度を上げ、頂上部台地に出ると赤茶色の火山砂礫に変わり、360度の展望に最も楽しい高所の時間帯歩きの八合目に、旧陸軍気象観測所の避難小屋跡の基礎コンクリ−ト部分が残骸として残り、この高さに風を遮る地形がない場所での冬季観測は凄まじい厳しさと想像する。
雄阿寒岳頂上は、広いすり鉢状のカルデラ噴火口跡の端に位置し、意外と複雑な小さなピ−クと砂礫の尾根とで変化に富んでいて、最後の岩綾帯を登ると小広い雄阿寒岳頂上からは、阿寒湖と背後に雌阿寒岳そして頂上に立った者のみが見られる「ペンケト−湖」「パンケ−ト湖」が道東の深い原生林に輝いている。
今年の夏休みにおける山行も、この山で終えるが道東の大きな山の頂きに立つことができたことに感謝し下山する。
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