沢・滝・岩場の秀峰
       
1997.8.29/単独
              
清里コース「清岳荘〜下二股〜旧道コース〜上二股〜馬の背〜斜里岳〜新道コース」


 その名も高き「斜里岳」は、知床半島基部に位置し、周辺市町村から眺められる独立峰的にそびえる端正な山であり、日本百名山の山でもある。
 名寄市を昼に出発し、斜里町から林道に入ると、林内もあり暗く、奥深くなる程心細さが増してとぼ々と車を走らせると、清岳荘の明かりに人影が見えほっとする。
 清岳荘で、管理費(500円)を支払い、先着の登山者に混じり、暖かい2階ベッドの薄明かりで遅い食事をとり休みにつく。
 翌朝、山小屋特有の登山者のざわめきに目覚めて、朝食と沢山の登山者を見送りながら静かな山間の雰囲気を楽しむ。
 小屋の裏手登山口から水量の少ない沢沿いを右岸・左岸へと飛びながら石伝いに高度を序々に上げ「下二股分岐」から滝の連続する「新道」は滝水が終始足元の岩肌に薄く流れて、非常に爽快感のある時間帯が続くと最後の「霊華ノ滝」は、青空の空際に浮かび実に印象的な眺めでありカメラを構える。
 水流がやせると上二股分岐、これからは頂上まで感張るぞと言う雰囲気の樹林トンネルそして胸突き八丁のガレ場の果てに馬の背が印象的である。
 馬の背の稜線からは、展望が一気に開けて、著書で見た景観の細い尾根が頂上へと広がり、痛快な気分であり、急登からのアルプス的稜線が素晴らしい。
斜里岳頂上からは、知床及び阿寒方面への展望が良いのであるが残念ながらガスで斜里町が眼下に見えるだけであるも、本州勤務を終えての久しぶりの北海道の名山の一つに立てたのが非常に感慨深い。
 帰路は、熊見峠経由で鋭い斜里岳と派生する稜線とに圧倒されながら高度を下げると登山口に団体さんと大型バスが見え様子が変であり、誰かが落石で頭部にケガをし携帯電話での119番が通じなくバスも反転ができず患者の輸送を頼まれ準備をするが、連絡が確保できたとの事で一件落着し、帰宅に着く。
 斜里岳ルートはバラェティに富み山容も大きく、眺めても登っても良山として強く印象に残った。
@ 馬の背から斜里岳
A 馬の背から1452P
B 熊見峠から斜里岳
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