展望に優れた静峰
    
2003.09.15/単独
              
1519m

「神威岳山荘〜シュオマナイ川左股〜北東沢〜1372P〜中ノ岳〜北沢〜神威山荘」


 中ノ岳は、中日高に位置しペテガリ岳と神威岳の国境稜線中間にあり、登山者の訪れが少ない比較的奥深い1500m級の山であり、沢ルートにより計画する。
 登山口となる神威山荘へと国道235号線「荻伏」から道々348号線に入り、上野深を経てシュオマナイ川沿いの深い渓谷沿い林道の砂利道を20Km程走ると林道終点広場に神威山荘が建つ。
 翌早朝、神威岳を源流とするシュオマナイ川右岸沿いに神威岳への登山道を25分程緩やかに登り、シュオマナイ川左股に入ると直ぐに函が現れ、前途多難と思うも左岸に巻くと広く明るい沢歩きに変わる。
 時折、左岸斜面からの小沢と右岸斜面に小滝を見て、高度が上がらない時間が続き、標高600m付近から正面高くに1371Pと稜線が流れ紅葉斜面を見せる。
 段差滝を左岸に巻いて、745m二股を右に荒々しい沢筋に景観が変わり、高度を短時間に上げると正面上部に1372Pの岩峰稜線が空際に浮かび、著名な前進目標となり、870m二股左には高度感ある沢筋が見える。
 1040二股の右股は枯沢であり、左股にルートをとると広いガレ沢に変わり、程なく涸沢となる。
ガレ沢の左側を巻くように上部に上がり、狭い沢筋の急登から解放されると、一気に展望が広がり正面に1372Pの岩峰稜線又振り返ると1445Pへの大斜面の紅葉が大きな美しい景観を見せる。
 中ノ岳は、1372Pから北に派生する国境稜線が死角となり確認できないが、鹿道を辿り1372P岩稜直下斜面を切り、国境稜線を東側に越えると、突然「中ノ岳」の端正な山容が姿を見せ感嘆の一瞬、振り返ると神威岳が遠くに高く鋭い。
 快適な鹿道を辿る尾根歩きも途中で東側に大きく下がり、高度を下げたのが失敗で尾根筋に戻るのに逆枝のハイマツと格闘しつつ、尾根に再び上がると鹿道を発見する。
 頂上へと薄い踏み跡に高度を上げると標識も三角点もない、枯れ木が洒落た小広い頂上である。
青空下に、1839峰・ペテガリ岳と長大な東尾根に昨年の初秋に無銭153Kmのペテガリ岳東西縦走を懐かしみつつ振り返ると、先般の夏、神威岳からソエマツ岳縦走にて坂口氏との精神的・肉体的にも酷だった末にやっと辿りついたソエマツ岳が遙か遠くに高く、辛かった思いでの峰々に挟まれた静峰の頂きを味わう。
 下山は、直線的な最短ルートと、東尾根に高度を下げると眼下に小さな沼が見えて、足を延ばしてから広い南側斜面へと高度を下げると、ハイマツ次いで笹そして灌木と密度が濃いが斜面に変化し、高度1200mで水流がある沢に入り、沢筋は上部の稜線直下まで続いており、中ノ岳への最短ルートと考える。
 標高1000m付近から滝が連続して高度感があり、特に左側の空際に突き上げる滝との合流部からは、私には難所で緊張感が870m二股合流点付近まで続く。
 この北沢は、私の技量では目一杯であり、懸垂にて3度程降下する場面もあり、非常に時間を要し、素直にこのルートは眺めるだけで十分であり、登りも遠慮したいと1372Pの岩峰稜線を懐かしく仰ぎ見て、憧れの山であったと下山する。
 全般
  北東沢ルートの1372Pを経由するのが、函も標高630m以上になく又尾根筋に鹿道もあり、比較的容易かつ安全に中ノ岳頂上を踏む事ができる。

神威山荘
登り 25分 4時間10分 下り
入渓
3時間05分
1372P直下
55分
中ノ岳頂上

@ 頂上から1372Pの岩峰稜線と1493P
A 中ノ岳
B 神威岳・ソエマツ岳の遠望
C ペテガリ東尾根とポンヤオロマップ岳
D 下りルート標高1000m付近の左滝

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