頂上部が目立つ妙峰
     
2001.10.23/単独
                      1331M 

「母子堂登山口〜林道〜分岐点〜北の峰〜富良野西岳〜二股〜砂防ダム〜母子堂登山口」


 富良野西岳は、北の峯スキー場【現在は富良野スキー場】から南へと続く稜線にポッカリと頂上部を細く尖らせる魅力ある鋭鋒である。
 富良野市街地から、登山口起点となる広場に建つ母子堂「(へその緒):母体から胎児への生命をもたらした印……母と子の共通の分身とあり、木札に願い事が書かれている」は親と子の絆を大切にする会とあり、北国の真中の街である富良野市の概念を教えられて、登山記帳箱にある経路詳細図を片手に暖かい陽差しを林道を歩く。
 沢音を左手に聞きながら、山側へと直進すると15分程で沢コースとゲレンデコースとの分岐点に「富良野西岳概念図」でルートを再確認し、当初の計画は登りを沢コースと考えていたが、近傍に「9月16日熊出没」とあり又素晴らしい陽気にゲレンデが広やかでお陽様を浴びてのんびりとと考えてゲレンデ内の作業道に高度を上げて汗を流す。
 何度か通ったゲレンデにターンのイメージを描くと中回りターンの一回転分の登り歩数は60歩程かなと思い描きながら振り返ると新富良野プリンスホテルと富良野盆地そして十勝岳・大雪山が霞に煙る。
 中継地点の富良野ゴンドラは、冬を控えてひっそりと建ち左手のリフト下を抜けて傾斜の強さを感じるとリフト終点で尾根道の入口は明瞭である。
  左手への登山道は、雨に流れた地表面に人工物がない自然そのもので霜柱が立ち、前方に朝陽の陰で黒々とした頂上部を見ながら起伏を繰り返すと.1110標高点次いで.1236標高点との鞍部を過ぎて、稜線に上がると植生に高山の雰囲気を感じると眼前に「灰色の岩壁頂上」そして芦別岳が突然と広がり、思いがけない短時間の景観に胸が躍る。
 冷風の中、狭い岩場の富良野西岳頂上からは富良野盆地の広がり、芦別岳・布部岳の連山に北国の大地の大きさを誰もいない頂上にて余計に感じる。 
 下山は、沢コースへと断崖上の細稜線から眺める景観にこの山の良さを感じながら一気に高度を下げて、沢へと左に方向変換して登山道の岩に紅葉が積もりルートを隠す。
 反対斜面には北の峯の岩塔が大きく又ゲレンデからの登山道筋が笹の緑に気持ちよく延びて、沢音を聞き沢道終点から右手へと渓流沿いに渡渉を繰り返し、緩やかに高度を下げるも渡渉が幾度となく繰り返され、幅は狭く水流は多くないが、これが大変!!小さな岩を伝うも全ての石が非常に滑りやすく、苦労する時間が続き、転んだ際の濡れたシャツの水を絞りながら、左岸道沿いの厚く積もった紅葉の座布団に音を立てる陽差しに晩秋を楽しみつつ、砂防ダムを越えると近傍には広場が広がり、程なく登山口分岐点である。
 下山するまで誰一人会うことのない淋しい山であったが、良い山行を楽しむことができた。
@ 全景
A  林道口のへその緒神社
B 頂上部から芦別岳
C 頂上部 
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