道北の静かなる峰
札滑岳は、道北のウェンシリ岳北方に位置して、西興部村と下川町の境界に聳え、登山道は国土地理院では記載されているが、完全なる廃道となり昔の面影はないと聞く。
この山は積雪期対象と予定するも、HP「甘藷岳山荘」のHa氏が六線ノ沢から登頂して、Ha氏のルート探索の呼びかけに、私は反対斜面から登頂を果たす。
登山口へと、国道239号線で一の橋集落を過ぎ、天北峠に向かうと程なく、一の橋手前右手の林道入口に「七尺ニレ」の看板に奥名寄林道へと入り、名寄川沿いに7.8Km程走ると、ホロナイポロ林道標識とゲート(鍵はダイヤル式)があり、ここから歩く。
整地された起伏のないホロナイポロ林道をホロナイポロ川右岸沿いに2.2Km程歩くと入渓地点(355m)で、谷間は比較的広いが小さな沢筋に植生が結構鬱蒼としている。
幅の狭い沢は水流が少なく、この晩秋の季節には冷たさが軽減され助かり、緩やかな沢筋には背丈を超える巨大なフキと下草が水枯地点(610m)まで続き、軽い藪漕ぎに順調に高度を上げる。
430m二股を左に入り、同様な植生景観が続くと610mで水枯となり、ここまで滝は全くなく小さな沢筋を辿る感の歩きで、背中のザイルが重く感じた瞬間である。
水枯地点からは、フキが消えて背丈の高い大きな葉の茎に捕まりながら、歩きやすい斜面が続き、鹿の遊び場であろうか草地が泥土斜面もあり、薄い鹿道を辿ると明るい斜面に640m二股であり、ここが後刻思慮するとルート選択の山場であった。
札滑岳頂上部が確認できない浅い凹地斜面に、頂上へと西又は南方向から巻くかにより、ルート選択は異なり西側から巻く斜面沿いには大岩も見え稜線までは藪薄しの感であったが、私は南側から巻いて稜線の反対斜面は草地との情報もあり、845m付近から高度差100mの藪漕ぎを軽く見た。
入渓地点(355m)から藪手前(845m)まで、比較的歩き易い後もあり、濃密なネマガリ竹との格闘時間が続くも辛抱の時間と諦める。
稜線部に出ればと…最後はハイマツ出現するも程なく、待望の稜線に出ると反対側の東斜面は、快適な草地と低灌木斜面が十一線ノ沢へと広がり、頂上部が間近である。
稜線を挟んでこのように植生が違うのだと、少しガックリしつつ東斜面に軽快に高度を上げて、頂上直下の短い岩場を越えると稜線一部の感の頂上である。
標石が草に埋もれかかる狭い頂上部展望は、西側と南側が灌木で遮られるがウェンシリ岳とポロナイポ岳の山容が端正である。
突然、頂上から派生する北東尾根に濃い「虹」が光り、溜息の時間が続く…静けさに虹の七色を実感!!
帰路は、眼下にHa氏が挑戦した十一ノ線沢へと晩秋の紅葉斜面が、深く急激に落ち込んでいると往路を辿り、林道に出る。
札滑岳は、我が町から比較的近く気になっていたが、登頂へと動機づけして下さったHa氏に下山しながら感謝する。
備考
札滑岳東側の六6線の沢及び11線の沢ルート
情報は上記Ha氏のHPを参考にして下さい。
ホロナイポロ林道(ゲート) 登り 35分 32分 下り 入渓地点 30分 1時間15分 430m二股 1時間25分 稜線 15分 札滑岳頂上
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頂上北東尾根と虹
A 南東稜線から頂上部
B ウェンシリ岳(左)とポロナイポ岳(右)
C 十一線ノ沢
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