日高南端の静峰
観音岳は、南日高主脈の東方に位置し、山麓にはハート形の豊似湖又豊似岳等の連峰そして襟裳岬・黄金道路の海岸線等の展望が得られる登山道のない静峰である。
前日にSa氏・Hiさん「地図がガイドの山歩き」/Naさんと共に、豊似岳登山口へと荒々しい海岸線の黄金道路にて猿留川を渡り、目黒集落に入り「豊似湖」の小さな標識から山側へと左折する。
猿留川左岸沿いの林道を9Km程走ると小広い駐車場広場で豊似湖へは200m位である。
暗夜にテントを張り、Hiさんの手際良い鍋料理に単独行では味わえない御馳走に感謝しお腹を満たす。
翌朝、満天の星も消えた青空下、豊似湖への荒れた原生林には「ナキウサギ」の生息も確認されていると言う岩場景観の中、5分程で豊似湖(周囲約2Km・最深部18m)の静かなる「湖」が広がり観光化していない。
湖面越しには観音岳が望め、東尾根に続く林道も見られるが、「豊似湖」湖畔から北東尾根に取り付き、薄い藪に順調に高度を上げ、振り返ると「湖」が黒々と樹林の間隙から見える。
標高600m付近までは、藪は非常に薄く快適を期待したが、勾配が増すと藪も徐々に濃密となり、太いネマガリダケの急斜面が広り、標高差300m強の藪漕ぎの始まりである。
一旦、南側の浅い沢形に逃げて50m程高度を稼ぐが、再び濃密な藪に突入、先頭をSa氏と交代して背丈以上のネマガリダケに積もる雪を払いながら高度を上げる。
頂上まで標高差50mを残し、尾根筋に出ると反対側の北斜面は、登山道状態の快適空間で、複雑な気持ちで薄く積雪した頂上部に続く尾根筋を見上げる。
ここまで頑張ったNaさんを先頭に岩場を混じえた尾根筋に歩みを味わい踏みしめると狭い山頂部に到着する。
頂には三角点も山頂標識も無いが、実に素晴らしい展望空間で、頂上達成感は十分満たされる。
頂からは、豊似岳の魅力ある山容・眼下に襟裳岬そして黄金道路沿いの太平洋と視界を遮る物はなく、憧れの山であったと感慨深く、「地図がガイドの山歩き」さんと足の長いNaさんと大きな空間を味わう。
下山は、踏み跡も散見される東尾根へと腰丈の笹に高度を下げると680mピークには石仏があり信仰の山と知り、陽気とゆったりとした景観に腰を降ろす。
ここからは背丈程の藪を漕ぎ、488コルの石仏・祠からは、作業道が北斜面に豊似湖まで続き、山頂を振り返りつつ下山する。
豊似湖の東側には散策路があり又ハート形の真ん中に当たる湖部分の高台には昭和12年当時の石柱もあり信仰の山と改めて認識する。
日高主脈の最南端「豊似岳」の山容を東西から眺める山行が好天の下、無事に楽しく過ごせ、Sa氏・Hiさん・Naさんに感謝し家路に向かう…下山口の「ソバ」も美味しかった!!
●同行者の山行記録「地図がガイドの山歩き」
豊似湖駐車場広場 | ||
登り 4時間15分 |
5分 | 下り 2時間20分 |
豊似湖 | ||
4時間10分 | ||
山 頂 |