藪薄き展望の山
       
2003.12.07/GP
                  

アベヤキ川沿い林道〜.166m〜.470m〜西尾根〜山頂〜西尾根(.470m)〜林道


 ルチシ山は、南日高の「えりも町」北東に聳える登山道のない700m級の山である。
 前夕の襟裳周辺は強風高波注意報もあり、大荒れで「えりも町」手前のバス停留所内にテントを張って避難する。
 就寝後、更に風雨が強まり、札幌発のHP「地図がガイドの山歩き」さんチームに宿泊地点を伝えるが気懸かりである。…深夜に無事到着。
 翌早朝、バス利用者への迷惑をと思うも誰一人乗客はなく、温かく濡れる事のなかったバス停の一夜の宿に感謝する。
 「地図がガイドの山歩き」さんチームのSa氏・Hi女史に御挨拶・同乗してアベヤキ川沿いの林道に入り、最初の渡渉点手前の広場が実質の登山口となる。

 今回の藪山ルートは、「地図がガ
イドの山歩き」さんチームメンバーである「Naさん」に「貴方ならどこからルチシ山を登りますか!!…」と尋ねた経緯もあってNaさんの立案ルートに決定する。
 地図を眺める自称「方○音○のNaさん」は、いつになく表情が真剣であり、HP「地図がガイドの山歩き」ネーミングの地図読みのスペシャリストであるSa氏・Hi女史の存在もあり、地図読みの勉強には絶好の機会と思える。
 アベヤキ川沿い林道歩きに浅い渡渉点を2度程繰り返すと約2Km程で.166mの林道合流点で、南東の沢筋から鹿道を辿り、疎林の広尾根斜面に取り付く。
 c240で一旦伐採道に出て、高度を順調に上げると尾根形状が明確となり、足元の藪は極めて薄く快適な広尾根が続き、Naさんが磁石・地図を広げる。
 山頂から派生する西尾根のc600付近に上がると、目指す山頂部手前のピークが望まれ、尾根筋が顕著となり勾配が増すと強風が唸り白き物も混じる。
 低笹・ガレ岩斜面を抜け、本格的な稜線歩きに変わると強風を避けるように尾根南側に下が
る場面もあり、北海道全域が強風模様である。
 頂上部を間近に望むと、端正なスカイラインの.761mと右手にオキシマップ岳・豊似岳そして振り返ると襟裳岬を遠望でき、程なく山頂到着である。
 この頂は、細尾根が三方向に顕著に延びるJPで
あり、山頂標識・三角点はなく又山名も高名ではないが、頂上達成感が充分にある高所空間であり又ルート上は藪もなく心地良い気分に浸れる展望の良き山である。
 北側方向の鋭角な山並みに、不気味な雪嵐の灰色雲が短時間に山を覆う景観にNaさんの紅茶をいただき下山開始である。
 頬が凍るような強風にバランスを崩しながら、尾
根の南斜面に避難しつつ、尾根筋に高度を下げると静けさが広い笹尾根に広がりホッとする。
 下山ルートは、西尾根から.470m北西尾根次いで浅い沢形状に高度を落として、作業道を横切ると程なく林道である。
 林道登山口に到着すると、今回のルートを立案したNaさんが「良かった!!」と安堵の声!!
 未知の藪山ルートは、何が出現するかお楽しみでもあり、藪に阻まれ時間切れ(特にこの時期)と誰も予測不能であり、立案ルートにより山頂を踏めたと言う精神的解放の気持ちが十
分理解できる。
 何れにしても、Naさんの立案ルートを先頭で歩き、サポートした西條氏/久野女史の寛容あふれる言動は終始立派であり教えられた。
 備考:GP登山で地図判読の機会が少ない登山者には、GP内で創意工夫した着意があれば地図読みの向上に多いに役立つと思えた山行であった。
 同行者
「地図がガイドの山歩き」さんチームの山行記録

アベヤキ川沿い林道渡渉点
登り
2時間40分
35分 下り
2時間05分
.166m
2時間05分
山   頂

@ 西尾根から山頂部手前ピーク
A 山頂から761mピーク等
B 山頂から襟裳岬
C .470付近から山頂部
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