広大な斜面が広がる山
入布山(にゅうぶやま)は、道北の美深町と松山湿原で知られる仁宇布の中間に位置する無名の山であり、九度山(ピヤシリスキー場)山頂から北方を眺めると、函岳と並んで1000m弱の大きな山容は開豁した斜面を見せる。
登山口へと美深町から仁宇布への山間部をペンケニウップ川沿いに行き「第二仁宇布橋」の渡った地点を取り付き点とする。
道北地区でも、「仁宇布」付近は多雪で知られるが、今年は雪不足にも拘わらず積雪量は多い。
.516mの林道を目標にと、斜面に取り付き急登の深雪にトラバースするも、スキーが埋没するばかりで、全く高度を上げられない奮闘が続く。
樹木を補助にして、体とスキーを無理矢理持ち上げながら、汗ビッショリの苦戦にやっとの思いで林道に出ると、勾配が急激に緩くなりホッとする。
高度600m付近の低松林を抜けると、一挙に広大な斜面が広がり、笹もかなり埋没している。
特徴のない地形が続き、コンパスで方向標定を
繰り返しながら、緩やかに高度を上げると今年始めて体験する吹雪であり、開豁斜面に避難をする場面もなく黙々とラッセルする時間が続く。
標高800m付近前方に山頂部らしきと頑張るが、頂上は更に奥であり、高低差のない広大斜面に根気負けしそうである。
真っ白な稜線が見え、雪面のクラストにハイ松が埋もれ、雪庇延線の頂きが山頂とGPSで確認する。
台地の高みである狭い頂きからは、引き続き大きな台地景観が広がり、夏ルートではこの頂きを踏む事が難しい山と感慨深く下山する。
特徴のない開豁斜面に吊り下げた標示テープも、地吹雪に時折見失い、風の間隙に発見し安堵の一瞬である。
.516mの林道を渡ると、登りの急斜面にふんわりと積もった深雪に苦しんだ分をと滑降すると雪煙が舞い、眼下に道路が見えて山行を終える。
第二仁宇布橋 | |||
登り | 3時間45分 | 1時間10分 | 下り |
山 頂 |