強烈なる風に向かう
前十勝岳は、十勝連峰の核心峰である十勝岳北西に位置する。
山麓からは、十勝岳の象徴として四季を通して眺める62−U火口の噴気煙は、1962年6月噴火の際は、噴煙柱は高さ12000mにも達したとあり、最近では2003年2月に火山性微活動が記録されている活火山である。
今回は、HYML三段山オフミ参加となり、Sa氏「一人歩きの北海道百名山」にお世話となり、上富良野駅で同乗し、吹上温泉に向かうと前十勝岳の白き迫力ある山容を正面に眺める。
積雪量が豊富な吹上温泉の駐車場で準備していると、03年道北オフミ(ピヤシリ山)以来のS−Ki氏夫妻と御挨拶である。
吹上温泉駐車場の山側に滑走跡が見え、坂口氏に続き夏道沿いのトレースを辿ると、樹林帯の静けさが広がり火山観測小屋に到着する。
樹林帯を抜け富良野川凹地部へと一旦高度を下げ、前十勝岳北西尾根(名称:カバワラ尾根)への広大な斜面に取り付くと雪面は固く積雪も少量である。
正面に前十勝岳を眺めながら、カバワラ尾根の枯れた樹木群と灌木斜面の尾根に変わると勾配も増し、Sa氏が例年ならば灌木は埋没しており、今年は雪不足と吹き溜まりの広尾根に高度を上げる。
右手に三段山の尾根筋を眺め順調に高度を上げるも、風も強まりハイマツの頭が密集する斜面が続き、トラバースしつつ頂上部を確認する。
時間と共に眼下の上富良野盆地は風雪に消え、待避場所がない広斜面には強風が吹き荒れ、二人で風の呼吸を待つ場面もあり、進退を考えるが相互に上方へと向かう。
高度1700m付近上部からは、岩場が続きスキーをデポしてバランスの悪いブーツで25分程高度を上げると稜線に上がり樹氷に覆われた不明看板に到着する。
やや上部に樹氷景観の高みが霞むも、強烈な風にここまでとし、Sa氏と交代で写真を撮って早速下山する。
下山も大変であった…岩とハイマツに阻まれる固く狭い斜面に方向変換すると、スキー金具の解放調節は最も外れやすい目盛りであり、スキーが外れる場面に苦戦である。
ハイマツ群上をスキーで渡ると強烈な風に押されて、急激にスキーが滑り、先端がハイマツに刺さり激烈なる転倒である。
結局、滑走気分を味わう事は全くなく、富良野川渡渉点に到着して穏やかなる樹林帯に入り、高所との違いを実感するとに賑やかな吹上温泉に到着する。
三段山の二段目から下山したKaさん/Yuさんと御挨拶してHYML仲間とも逐次合流する。
雪見見物の露天風呂もいいもんだ!!と湯に浸り、今回の山行は坂口氏と強引なる苦戦モードであったと思い返す。
同行者「一人歩きの北海道百名山」Sa氏の山行記録
吹上温泉 | |||
登り | 2時間35分 | 1時間15分 | 下り |
前十勝岳直下 |
1
美馬牛峠付近から十勝岳連峰の朝陽
2 吹上温泉から前十勝岳
3 カバワラ尾根へとSa氏
4 山頂直下(私)Sa氏提供
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