鋭鋒の山魂群
釜尻山は、幌加内町「政和」の東に位置し、1000m弱の白き山魂群を形成してその威容には圧倒される。
登山口へと、幌加内町「政和」唯一の信号機にある「政和小学校」標識から町道政和新5線に入り、1.4Km程進むと除雪終点に農家があり、昨日「長留内岳」下山後の道路状況確認の際に農家御主人に駐車を依頼済みである。
この山域を山麓から眺める度に、天候条件が最大の味方と計画を温めていたが、本日が絶好の好天日と林道をラッセルする。
浅瀬川沿いに緩やかに延びる林道に程なく砂防堤が連続し、標高270m付近では林道も消えて疎林に入る。
引き続く浅瀬川の広い沢筋凹地には、ウサギの足跡が点在して静寂感を漂わせ、いつもながらこの景観には心が落ちつく。
標高400m付近から尾根に上がると緩斜面が続くが、標高440m付近の地隙を越えると勾配が増す広尾根は絶好の滑降斜面が続く。
標高700m付近、細尾根の急斜面を乗り越えると平坦尾根に変わり、突然!!…圧倒される山容が出現…838峰である…凄まじい鋭さ(幌加内マッターホルンか!!)に気持ちが萎縮する程の見事な威容である。
838峰北側の急斜面に一歩づつ慎重にスキーステップを刻み、釜尻山とのコルを目指すが、上部にはセッピが連続し安全地帯に逃げ込んでから、コル部に上がりホッとして眼前の釜尻山を見上げる。
838峰へとクラスト斜面をつめると、巨大なセッピが張り出す頂上は好展望であり、大きな山容の釜尻山、振り返ると931峰の山容が鋭く魅力ある。
931峰へとコルからの急登を終えると931峰西尾根はセッピが連続し、疎林に入り山腹を切りながらルート標定をする。
急斜面が続き慎重にステップを刻み、緊張から解放された山頂からは台地尾根越しに山麓から常時眺めた928峰の山容が大きい。
下山は、固い急雪面は勘弁と大きく巻いて下降、次なる釜尻山への最短路を目指すが、セッピ・沢地形等に苦労しつつ、釜尻山への広がりのある斜面に取り付く。
山頂が近づくと急峻な固い雪面が続き、再びスキーステップを慎重に刻む緊張の時間が続きやっとの思いで南西尾根に上がる。
クラスト斜面を南尾根筋を辿ると好展望が得られるセッピの山頂であるも、天候悪化により展望は得られない。
下山へと、838峰との稜線セッピを避けるようにルートをとり、滑降には最適斜面の湿雪に転倒しながら山行を終える。
最後に、この周辺の1000m弱の山魂群は、各峰に山名があっても不思議のない威容であり、非常に魅力ある威容が展開されるが、反面危険と隣合わせであると実感する。
登山口(道路除雪終点) | ||
登り 6時間55分 |
3時間25分 | 下山 1時間50分 |
838峰 | ||
1時間20分 | ||
931峰 | ||
2時間10分 | ||
釜 尻 山 |
1
838峰
2 838峰から釜尻山
3 838峰から931峰
4 釜尻山
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