屋根棟山   長軸の台地尾根
        
2004.04.25/単独

北西尾根「咲来峠〜林道〜482〜875〜955〜山頂(往復)」  


 屋根棟山(やねむねやま)は、最北「宗谷岬」より陸地形を南下すると1000級の山として最初に聳え「函岳」北側に位置する。。
 山麓の歌登側から、平坦一直線の尾根を連ねる独特の山容を眺めると山名の「屋根」「棟」を納得する。
 隣接する「函岳」は、北海道100名山にも選定され登られる事が多いが、この屋根棟山に関する山行記録を探せず、今回この静かなる山を計画する。
 登山口へと、国道40号線を北上、「咲来」から歌登町に向かい「咲来峠」左側に「気象情報収集システム」施設が建つ広い駐車場(旋回場)が登山口となる。
 登山ルートの概要は、パンケサックル川を隔て右岸沿い尾根が「屋根棟山」へと、左岸沿い尾根が「函岳」に続き、右岸沿いの尾根を辿り山頂を目指す。
 駐車場反対側の道路から林道に入り、スキー装着で歩くと、積雪量が多く春遠しの道北を実感する。
 両側に松林が続く明瞭な道筋に緩やかに高度を上げると、林道正面にパンケサックル川右岸沿い尾根の360・460が尖った山容を見せる。
 C320付近で、林道は南側へと屈曲してパンケサックル川へと続くが、正面の尖った360を目標にして樹林帯に入り、南東方向に100m程で樹林を抜けると西側の398から続く尾根筋の明るい疎林斜面に出る。
360南側の肩を抜けると、これから続く尾根筋ルートの南側は樹木密度も濃く又勾配も比較的強く、北側斜面又は尾根筋を辿る事が多くなる。
 460の細い稜線を避け、北側を巻くように山腹を切ると、正面には高く聳える661と長大なる台地尾根の始まりである鋭鋒850が聳え、険しき山容を見上げる。
 850へと至るには、もう一本パンケサックル川寄りの532経由の疎林尾根が歩き易く850取り付きで合流するが、661南側の山腹を切る。
 本ルートの結節点である850の南側は急峻な岩場であり、北側の急斜面をトラバースして広い稜線に上がる。
 この山特有の高所景観が一気に展望され、広大な面積のハイマツ地帯越しには、2Km以上も続く平坦な台地尾根が2段地形に広がる。
 広い尾根を占有するハイマツ帯を抜けようと南側に間隙を探しながら辿ったが、北側に切れ落ちたセッピ沿いは、安全間隙を充分に保て、容易に頂上まで辿れると帰路に知る。
 正面には、2段目の台地尾根の始まりである955と頂上へと続く尾根端部のC1010が樹氷越しに望まれ又右手には山頂部に通信施設がある「函岳」が広がり懐かしい。
 955南側斜面からC1010に上がると、今まで以上に何の特徴もない原野の景観を思わせる広い台地尾根が濃密なハイマツ帯に引き続き、1000級の高所とは思えない。
 尾根筋北側の高みを目指すと、尾根北側が切れ落ちセッピが発達した岩が点在する箇所が山頂部であり、頂きを標示する人工物は見あたらず、ハイマツ帯にGPSで山頂と確認する。
 帰路は、台地尾根の北側に続くセッピ筋を辿ると、ハイマツ帯を迂回する事もなく850に至るまで容易に下降できる。
 955からの眼下には、850まで続く広大な台地尾根にハイマツ帯を点在させる景観は、巨大なる空母を連想させ、北方には歌登地区の平野が広がる。
 850北側斜面の急勾配を一気に滑り降り、532の尾根筋を経由して再び林道に出ると山行も終わりである。
 この山は、道北にあって貴重なる1000級の山であり、ルートは特に難しい箇所もなく又ルート標定も比較的容易と思える。

林 道 口
登り
3時間50分
30分 下り
1時間55分
林道(C320)
2時間05分
C850
1時間15分
山   頂

咲来峠(旋回場)
850
875から955を望む
955からC850方向
955と函岳(右)
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