屋中天狗岳・布部岳・松籟山根棟山
台地尾根に鋭峰
2004.05.09/単独
18線沢(砂防ダム)〜御茶々岳〜極楽平〜中天狗〜布部岳〜松籟山〜18線沢(砂防ダム)
中天狗・布部岳・松籟山(しょうらいざん)は、夕張山地北部に位置する1000級の山であり、山麓からは奥深い中天狗を除いて山容を眺める事ができる。
昨春、御茶々岳から広大な雪原の台地尾根越しタケノコの様に聳える鋭い山容に魅せられての計画である。
登山口へと山麓の貯水池から18線の沢左岸沿いに砂防堤を見ながら林道を走ると最終の砂防堤が登山口(C466)となり、駐車スペースは沢左岸に十分にある。
沢筋正面に、松籟山・槙柏山が高く聳え懐かしさを感じつつ、残雪の林道跡をC570付近まで辿り、尾根筋に取り付くと斜面の積雪量は多い。。
御茶々岳へのルートは、槙柏山と松籟山の各東尾根に挟まれた谷筋に高度を上げるが、地図判読及び地形的に難しい箇所はない。
振り返ると富良野盆地の水田は「水面」が光り緑とのコントラストに映え、春本番の田園風景である。
御茶々岳へのルートは一般的に南側からであるが、近道へと崖の直下付近から急斜面を切り、稜線に這い上がると芦別岳の岩峰「夫婦岩」に圧倒される。
御茶々岳の直下には、樹木がない中斜面が続き、滑降に最適と思いつつ、横切ると広々とした風情に松籟山・布部岳・富良野西岳が遠望される。
御茶々岳北側からは、極楽平の広大なる雪原台地がゆったりと続き、誰しも足を向けたい衝動に駆られる景観である。
乱立する各峰の高度感ある山容に圧倒され、特に中岳は鋭く、極楽平を歩きながら何度も角度を変えて眺めるが、積雪期だと私には登れそうもないと溜息である。
中天狗へと、高低差の少ない雪原に疎林の松林を抜けると中天狗が高く聳え、急斜面が続きルート設定を考える。
中天狗の南寄り斜面から取り付き、双耳峰的な南ピークを目指し、急斜面にステップを刻むと左手に1255等の岩峰群の鋭鋒を望む。
次いでコル部を頭上に横切り、山頂への最後の雪面を這い上がると、雪が消えた岩混じりの土の香りに懐かしさを感じると小広い中天狗の山頂部である。
展望を遮る物のない頂きからは、山容を初めて眺めた「崕山」、布部岳、芦別岳、険しき「中岳」、眼前には布部岳が聳える。
下山、山腹の崖に高度感を感じつつ、慎重に下降して極楽平方向へと向かいつつ、次なる布部岳へは、一旦沢地形に高度を落として登り返す直線的なルートも考えるが、過去に幾度となく山麓から眺めた布部岳東側の崖方向からアタックしたい…とのこだわりに大きく回り込むとする。
尾根筋の沢地形を横切り、布部岳の山容が三角錐から台形に変化した東側の広い斜面に出ると崖尾根が高くルートを設定する。
正面攻撃と崖尾根の直下から稜線へと続く急斜面を辿るが、傾斜変換点と雪が融雪して短時間に尾根へと這い上がる。
細尾根はセッピが続き高低差が少なく、GPSで布部岳山頂と確認する。
頂きからは、遠くなった御茶々岳越しに芦別岳、眼前の富良野西岳等を望みつつ、結構歩いたと高所展望を味わう。
慎重に下山して1198へと広尾根を辿り、松籟山の西側尾根取り付き点に到着、本日最後のピークは標高差90m程である。
松籟山の東側はハイマツに覆われ、ハイマツの縁沿いに15分程頑張ると雪片もない夏季様相の松籟山山頂に思わず座り込み、春の暖かき陽気に全周展望を味わう。
今度は本当の下山と広大な極楽平を経て御茶々岳の南側から快調に登山口へと高度を下げ、C560で作業道跡に出ると沢水に「やちぶき」の黄色が鮮やかである。
計
10時間35分(休憩時間含む)
18線沢(砂防ダム) 2時間15分 御茶々岳 1時間35分 中天狗 2時間15分 布部岳 1時間55分 松籟山 2時間35分 18線沢(砂防ダム) 1 極楽平から御茶々岳
2 中天狗
3 松籟山(手前)、布部岳と富良野西岳
4 布部岳(南側から)
5 布部岳(東側から)
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