滝ノ沢岳 岩稜尾根が続く険山
2004.06.26/複数
夕張岳登山口〜入渓【夕張ヒュッテ前】〜南西尾根〜西斜面〜夕張ヒュッテ〜夕張岳登山口
滝ノ沢岳は、夕張山地に位置し、花の名山「夕張岳」北西に聳え、岩稜尾根が続いた頂上部の山容は、登攀意欲をそそられ魅力的と言われる。
この山に関する情報は極小であり、HP「地図がガイドの山歩き」の山行記録を参照させていただき、ガイドチームと同様に沢筋を辿り、滝ノ沢岳東側から岩稜尾根を経由して山頂に至った記録です。
夕張岳登山口の駐車場から林道を屈曲すると、建物施設は古いが、管理人により整頓されている「夕張ヒュッテ」が明るい広場に見える。
ヒュツテ前の沢が入渓点であり、浅い水流に歩き易い川床が続くとC680二股、左股は水流、右股の枯沢に入る。
索漠とした景観の沢筋を緩やかに高度を上げると、左股の沢から終始水流の音が聞こえてC755で左股沢の分流点上部に出る。
滝の沢岳南西尾根の東側へと沢筋を辿るも、C900付近【何気なく通過して定かではない】二股を右股に入り、前岳と滝の沢岳のコル方向に向かってしまった。
C980の大岩上部に出ると枯沢となり、扇状の斜面が広がり滝の沢岳南西尾根の急峻な岩稜部が遠望される。
C900付近の二股に下降して出直しも考えるが、斜面を着るように藪を漕ぎ、小さな沢筋を辿り南西尾根と平行するように高度を稼ぎながら、藪から解放されるとC1100付近から東斜面を間近に望む事ができる。
岩壁が続き、尾根へのルートを探りながら、本来辿ろうとした枯れた沢筋を横切り、疎らな藪の急峻な斜面に取り付き、岩壁を避けるように鹿道を追う。
尾根に上がる地点を探り、高度を保ち斜面を切りながら振り返ると、夕張岳手前の「前岳」展望台に登山者を発見、木霊を響かすが反応はない…こんな場所に人がいると想像しないのであろう。
比較的容易に尾根に上がるとC1200であり、山頂までの標高差は150m…これで山頂を踏める可能性大と一安心。
岩稜が山頂まで続くキレットは、いきなり歩幅程度もあり、高度感溢れる部分もあるが、終始樹木がある。
小さなピーク越えに藪漕ぎが続き、順調と思えた尾根も山頂手前ピークの岩壁が塞がる…左側は砦形状で深く落ち込み、右側はルンゼで、上部斜面の取り付きは乏しい植生で危険性あり!!…ここまでかと思った瞬間である。
再び左側に回り込むとスラブ形状の上部に尾根を見上げ、手掛かりが頼りない草株を掴みながら慎重に抜け、木々に掴まる…溜息である。
コルに上がると頂上は目前であり、ハイマツを掻き分けると狭い草地がある山頂で展望は良い。
頂きから期待した1415峰【夕張マッターホルン】は霧の中で残念と振り返ると、夕張ヒュツテが見える。
下山ルートは、反対斜面の西側沢筋を利用と頂上直下の急峻な濃密な藪斜面を下降して、枯沢へと降り立つ。
沢筋の鹿道を利用、C960から水流が現れるが程なく消え、沢音が響くとC755二股であり、本来はこの沢筋を辿るのが最良と思い返す。
緩やかなる川床を歩くと樹林の間隙からヒュツテが見え、明るい空間に沢山の人々が集い、訪ねると明日は「夕張岳山開き」との事であり、山小屋には「祭壇」が設けられている。
今年、50座ほど登っているが人と出会う事は稀であり、賑やかな気分を久しぶりに味わいつつ、予想以上に時間を費やした滝ノ沢岳であったと山行を終える。
☆同行者Naさんコメント「背骨のような尾根…お〜こわっ・・・でも頑張りました」
張岳登山口 登り 3時間50分 下り
2時間10分尾根取り付き 20分 尾根C1200 1時間30分 山 頂 1 南西尾根の台端部
2 Naさん沢を行く
3 C1150からの岩壁
4 尾根筋
5 山頂(Naさん)
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