鉞山低山…されど手強い鋭山
          
2004.07.24/複数

第1マップ沢川橋〜珊内川枝股出合〜湯ノ沢【東沢】〜右岸枝沢〜南尾根〜山頂(往復) 


  鉞山は、積丹半島の日本海側に聳える標高800m弱の山であり、山頂部は岩稜が連なる鋭山である。
 ルートは、滝ノ沢【西側】・湯ノ沢【東側】又は南尾根の藪漕ぎ等が考えられるが、私は湯ノ沢から南東斜面を辿り、山頂に至った記録です。
 登山口へと国道229号線の珊内「日本郷土玩具博物館」標識から山側へと向かい「珊内ぬくもり温泉」を過ぎて林道に入り、珊内川左岸沿いに進み2Km標識先の「第1マップ沢川橋」を入渓地点とする。
 橋から沢に降り立つと、水流は少なく苔の石が続き、朝の清涼が一層漂わせる沢景観であり、5分程で珊内川に出ると下流に滝の沢も確認できる。
 沢幅も一気に広がり水流も多少増え、幾度かの渡渉を繰り返すとC110の右岸枝沢「湯の沢」出合いである。
 狭小となった湯ノ沢の出合から程なくC130滝10mの右岸を高巻き、次いでC170滝8mの左側をシャワー気分で上がる。
 C200で小さな函を抜けるとC210右岸枝沢で、スダレ状に湯ノ沢に流れ落ちる地点から南東斜面の沢に入る。
 この沢筋は、藪が薄く覆う不安定なガレ石が続き、高度を効果的に上げるとC340二股は特徴のない地形である。
 この地点で左股を選定したのが、予想以上の長行程を強いられてやや失敗…右股は水流が続き直線的に山頂へと至れるが、頂上部の一連の崖壁が懸念される。
 しかし、下山時に確認すると崖壁の樹木は濃密であり、ルート選定を適切にすれば登れる地形があると判断する。
 C340左股斜面は、藪は薄いが急峻な斜面が続くと、C550からは強烈なネマガリダケに阻まれ、時間経過の割にはアルバイトが続き体力を消耗する。
 崖尾根に上がると、初めて展望が得られるも、西側は終始垂直に切れ落ち、キレット次いで密集した灌木が前進を阻む。
 尾根筋は、岩塔で阻まれるアクシデントはなく辛抱の時間が続くと、樹木に覆われ空際に突き出たピークが見えると頂上は近い。
 頂きは、細長くおむすび石が狭い地積を占有して、北側寄りに標石が頭を出している。
 低藪が広がり座り心地の良くない頂きからは、大天狗岳・珊内岳・屏風岳次いで日本海が眼下に広がる。
 下山ルートは、南尾根の藪漕ぎも一案であるが、C550前後の起伏の少ない尾根筋を眼下にして藪漕ぎに結構苦労した直後…沢ルートを選択する。
 一旦、崖尾根を引き返して、C700付近から地図上の崖マークの間隙に出るが、急峻な斜面が続きザイルで降りる。
 C430で水流のある沢筋から再びのC340二股、次いで湯ノ沢の2箇所の滝を懸垂で下降するが、ザイルが引けない…するとNaさんが「クレムハイスト・ノット結び」で瞬時に滝を登り返して処置をする…鮮やかな手順と身のこなしである。
 第1マップ沢橋が見えると夕方であり、地図上では短距離であるが、予想以上に苦戦した低山の山行を無事終える。
同行者Naさんのコメント「強烈な藪漕ぎと、まとわりつくアブに・・・参ったね」

第1マップ沢橋
登り
5時間10分
1時間30分 2時間15分 下り
4時間40分
C210右岸枝沢
40分 25分
C340二股
3時間 2時間
山  頂

山麓から山容  
C130滝10m 
山頂から大天狗岳
C170滝8m 
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