西暑寒別岳     迫力ある山容
        
2004.08.29/単独

暑寒荘〜ポンショカンベツ川〜776二股〜C875二股〜山頂【往復】 


 西暑寒岳は、増毛山地の暑寒別岳北西に延びる稜線に位置する1400m級の山である。 
 暑寒別をアイヌ語では、「ショロ・オ・カン・ベツ」=上流に滝のある川とあり、西暑寒岳の山頂に立ち実感する。
 夕刻、登山口へと増毛市街地からリンゴ畑を過ぎ、ひっそりとした暑寒荘近傍にテントを張る。
 ルートは、ポンショカンベツ川を6Km【3時間】程辿り、C875二股から崖記号が点在する標高差540mの急斜面を直線的に計画する。
 翌早朝、0450暑寒荘から100m程公園内を歩き入渓すると、広い河原には適度な水流があり、渡渉には全く問題はない。
 今年の山行は、植生が覆う狭小の沢歩きが続き、このポンショカンベツ川の広さと大きな石の明るい開放感が心地良いが、776m二股までは緩やかなる高度上げの時間が続く。
 C520付近から左手尾根に屏風岩次いで正面に暑寒別岳と西暑寒岳を繋ぐ稜線に顕著な岩稜尾根が高く聳え、C700付近からは沢両側に滑滝が相次いで流れ、単調な歩きに変化を与えてくれる。
 荒々しい景観の776m二股を左股に入ると河原から沢筋へと様相を変え、C815からは滝が3ツ続く。
 一番目は左岸を心細い草地を手掛かりに通過、2番目も左岸の岩堆積を足掛かりに這い上がると赤茶色の滑を楽しむ間もなく、3番目の25m滝を右岸に高巻き降り立つとC875二股である。
 左股は暑寒別岳へと続き、目標の西暑寒岳が右股正面に2段滝・崖壁・草地テラス次いで岩壁の上部に山頂部が高く聳え、迫力ある景観に気力が萎える。
 岩登りの技術のない私に果たしてと思いつつ、最初の2段滝を左岸に高巻くとC1015二股は両沢筋に崖壁が連なり、中央部の植生ある尾根筋に這い上がる。
 濃密な藪から抜け出すと気分爽快なる草地の急斜面が広がり、次いで岩場地帯に取り付くと適度な植生に手掛かりが得られる。
 振り返ると高度感ある沢筋越しに留萌方面の湾曲、暑寒別岳への稜線が連なる。
 山頂部を見上げると直下は岩壁であり、北側尾根から回り込もうと引き続く急登に喘ぎ尾根に上がる。
 爽快なる尾根歩きを期待したが、濃密なネマガリダケ次いでハイマツ帯が出現…短時間に抜けると胸丈の笹に覆われた山頂部であり、東側の狭い開豁地に腰を降ろす。
 眼下のC875二股への沢筋は迫力があり、続く776mまでの幾つかの滝を考えると下山ルートを迷う。
 時間的には10時30分であり、暑寒別岳への稜線を辿り、登山道を利用して下山も考える。
 下山へと暑寒別岳への尾根を短時間辿ったが、藪が濃密であり、変更して往路ルートを下山と沢筋を目標に一気に下降を開始する。
 途中、2度程ザイルでの懸垂下降を交えて、776m二股に到着すると疲労感を覚えるが、ここからは神経を使う箇所もなく単調な河原歩きと安堵の溜息である。
 入渓地点の暑寒荘に辿り着いたのは16時過ぎであり、11時間強の山行を振り返ると776m二股〜山頂間は、私には結構厳しかったと無事下山に感謝をして手強かった一山を終える。

暑 寒 荘
登り
5時間35分
5分 下り
5時間25分
入渓C300
3時間
776m二股
20分
C875二股
2時間10分
山  頂

1  C875二股手前の滝
2  C875二股から山頂への沢筋 
3  C1050崖壁 
4  山頂直下
5 山頂部から暑寒別岳 
HOME