中ノ沢岳 遠かった静峰
2004.09.12/単独
暑寒荘〜ポンショカンベツ川二俣〜ガンケの沢〜山頂(往復)
中ノ沢岳は、増毛山地の知峰である暑寒別岳北西に位置する1100m級の山である。
山麓からは、暑寒別岳/西暑寒岳/中ノ沢岳の各尾根筋が3本平行して遠望され、先日、手強かった西暑寒岳を登頂した機会にと知名度が低いこの山を計画する。
ルート情報は皆無であるが、暑寒荘近傍のポンショカンベツ川二俣からガンケの沢を辿り、東斜面に取り付いて頂きへのルートを設定する。
翌早朝、暑寒荘駐車場のテント泊からポンショカンベツ川二俣に入ると、流れに勢いがある沢水が初秋の早朝も加わり冷たい。
歩き始めて間もないC345付近の滑床に爽快感を覚えるが、この沢は終始、石・岩を伝う場面が続き、河原歩きが極小で予想以上に時間を費やす。
C370を過ぎると遠くに中ノ沢岳北尾根が彼方に遠望され、渡渉を繰り返す辛抱の時間が続きC560二俣から右股に入る。
右俣の入口奥に10m滝が出現、右岸を捲いて沢筋に降り立つと滑床次いで「函」形状の小滝を手掛かりを探しながら左岸から右岸伝いに抜ける。
沢筋正面には、先日、迫力ある沢筋から登頂した、西暑寒岳の高く威厳ある山容を見上げ、右手には中ノ沢岳と南尾根に続く1154峰の岩稜が広がる。
C800を通過して、中ノ沢岳の東斜面に沢筋を探しつつ高度を上げるが、見当たらなく、山頂部斜面から離れるばかりとC855から藪漕ぎ覚悟で取り付く。
取り付き点から山頂への標高差340mの斜面は、間断のない強烈なるネマガリダケが山頂まで続き、沢歩き4時間もあり疲労困憊…一時は時間切れとも考えたがC1080で岩稜帯直下の草地に出る。
短い急登の草地斜面から崖部を迂回して上部に出ると、再び濃密な藪に根気負け状態で腕が重く小休憩を繰り返す。
やっとの思いで山頂近傍の尾根に上がり、ハイマツを渡ると岩場があり思わず腰を降ろす。
頂きからは素晴らしい展望である…天狗岳/浜益岳/雄冬山/群別岳そして眼前の西暑寒岳の山容は端正で圧巻である。「西斜面は広大な一枚バーンで滑降に適する」
この時期、夕暮れは早いと最高点をGPSで探しながら、当初地図上で計画した登りルートへと下山を開始する。
高度50mを下げるまでは快適な斜面が続き、再びの濃密なる藪はC1000で狭小の沢形に出合い、程なく明るい草地斜面に沢筋が続く…こんな沢があったとはガックリである。
ガンケの沢C825に降り立つと、この沢入口は完全なる藪景観で奥に沢筋が山頂へと延びているとは全く気付かない。
再び長い沢をトボトボと4時間費やし、夕刻、人気のない暑寒荘に辿り着き、長かった一山を終える。
結論:この山を狙う方へ…下山ルートを登れば意外に容易と思えますが、健脚でも往復11時間は必要と思えます。
ボンショカンベツ二俣 登り
6時間15分4時間25分 下り
5時間10分C855取付点 1時間50分 山 頂 1 沢筋から山頂部と1154峰
2 C560二俣から右俣10m 滝
3 C1080付近
4 山頂部から西暑寒岳
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