中尾山     奥深き展望の静峰
          
2004.09.24/複数

上俵真布林道ゲート〜黄金林道〜辺別川二俣〜中尾沢〜山頂(往復) 


 中尾山は、大雪の山並み西側の離隔した位置に聳え、雄大なる展望を得られるが、奥深い山でもあり、無論登山道はありません。
 私がこの山名を知ったのは最近であり、山頂からの黄金ヶ原そしてトムラウシ山の景観はお勧めと聞き、ルート情報は皆無ながら計画する。
 登山口には、上俵真布林道のゲートがあり、最近は扇沼山を経由するトムラウシ山への短縮アプローチルートとして利用され人気が高い。
 私は、鍵借用は未処置であり、上俵真布林道ゲートが登山口と歩き始めるが、黄金林道分岐を1.2Km程扇沼山の登山口方向へと過ぎ、引き返し再び辺別川沿いの黄金林道に入る。
 紅葉景観の黄金林道は、薄緑の苔が続き地下足袋の感触が心地良く、同行者のNaさんは久しぶりの沢歩きであるが、長い足は快調である。
 ゲートから歩き始めてから2時間弱で、辺別川二俣直前まで続いた林道終点の小広場であり、正面高くに緑色の山頂部が遠望される。
 辺別川に降り立つと、幅広い澄んだ水流が強く、渡渉すると渓谷感の二俣であり、岩盤の流れが美観である。
 辺別川二俣から中尾沢へと左俣に入ると深い谷間筋に続く沢は狭く荒れ模様、緩やかに高度を上げると、滑床が時折出現して足元に心地よさを感じる。

 C960では、この沢筋で唯一の小滝【二段】が現れ、中尾山から派生する西尾根を迂回するように回り込むとC1115右岸枝沢からの小滝を見る。
 C970左岸枝沢を過ぎると効果的な高度上げが続き、C1220で涸沢となり浅い沢筋が続き、快調なNaさんを先頭に順調に高度を上げると、C1300二俣から右俣を辿る。
 山頂までの標高差100m程地点で浅い凹地を終えると、やはり濃密なネマガリダケが立ち塞がる。
 林道歩きも加わり疲労感が強い中、藪漕ぎを交代すると明るい南西尾根筋に飛び出ると…突然の大パノラマに思わず叫ぶ。
 山頂部は、尾根筋のコブピークであり、奇異に感じる程のハイマツの濃緑に覆われ、灌木を漕ぎ、山頂直下の短いハイマツ帯を抜けるとNaさん「あったよ…三角点!!」…やっと山頂である。
 頂きは低灌木が茂り狭いが、展望は見事!!…雄大な景観が続き、眼前にはゆったりとした黄金ヶ原越しにトムラウシ山、クワウンナイ川越しには化雲岳等大雪山の連峰次いで十勝連峰がグルリと眺望され圧巻である。
 今年も数多く沢歩きに終始したが、
快適な山頂に立ち展望が得られた山行は稀であり、同行の機会が多かったNaさんに申し訳ない気持ちも多かったが…久しぶりのヒット山頂に秋を味わう。
 下山へと直線的に沢筋へと下降して、再びC1300二俣から往路を引き返して辺別川二俣の出合い…雨が落ちてくる。
 薄暗い林道をとぼとぼと歩き、林道の距離表示の木柱を見ると、
懐かしい上俵真布林道ゲートが近づくと雨足は本格的となる。
 この山は、登られる事が極小と思われるが、沢筋には滝もなく山頂直下の藪漕ぎを辛抱すればお勧めの景観が得られる隠れたる良き山である。
同行者Naさんのコメント「やっぱり藪・・・今までのに比べたら今回の藪は可愛いもんかな〜」

上俵真布林道ゲート
登り
5時間25分
2時間 下り
4時間
黄金林道終点
5分
辺別川二俣【中尾沢】
3時間20分
山  頂
備考:所要時間に林道間違い時間40分を含む

1 黄金林道終点手前から山頂部  
2 辺別川二俣
3 南尾根から山頂部ピーク 
4 山頂から黄金ヶ原・トムラウシ山 

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