残月峰          断崖上の山
        
2004.11.6/単独

観音岩隧道〜崖地隙〜北西斜面〜山頂〜西尾根〜崖沿い尾根〜840〜残月峰隧道 


 残月峰は、層雲峡温泉街の北側、朝陽山から派生する西尾根末端の断崖絶壁上に位置する1000級の山山である。
 この山は、国道39号線にて旭川方面から層雲峡に向かうと最初の隧道「四の沢覆道」を抜けた正面、断崖上の台地に三角錘の山容を眺める事ができる。
 登山道は無論なく、層雲峡特有の柱状節理の断崖地隙を見つけて、絶壁の上に至るかがポイントである。
 登れそうなルートは、観音岩隧道東側を抜けた地点及び残月峰隧道の尾根筋の2本と国道から見上げ、前者を選定する。
 石狩川に架かる白水橋を過ぎて程なく、断崖の間隙に延びる斜面を辿るが、予想以上に傾斜が緩いと薄い藪を漕ぐ。
 眼下、国道を行き交う車が小さくなり、見慣れた層雲峡特有の断崖を間近に眺めると迫力に高度感がある。
 高度を上げるに従い灌木が乏しくなるが、危険な箇所もなく、断崖終点に近づくと笹斜面となり、程なく断崖上に広大な笹藪の台地が広がる。
 正面には、樹木の間隙から均整ある残月峰が見えるが、笹藪が続く景観に遠く感じる。
 時間経過とともに笹藪の密度も増し、いつも層雲峡を通過する程に「あの断崖絶壁の上を歩いて見たいと!!」…期待を見事に裏切る景観!!であった。
 黙々と辛抱の時間が続き、C880で山頂への斜面取り付きを実感すると、急登斜面は非常に薄い藪であり、ホッとして鹿道を辿る。
 C1000岩場から顕著な尾根筋となり、右手眼下に層雲峡温泉街そして黒岳・凌雲岳が冬景色に染まる。
 尾根北側には緩やかな斜面が広がるが、南側は目がくらむ断崖絶壁が続き、覗くのも勇気がいる。
 高所散歩を味わいつつ、細尾根筋を辿ると正面に朝陽山の面影を感じる程度の展望なき山頂である。
 尾根続きの高みに山頂部が不明とGPSで標定するが、三角点も標示テープ等も見当たらない。
 下山は、断崖沿い歩きを楽しみたいと南西へと方向変換して、柱状節理の断崖を眺めつつ、比較的藪が薄い斜面に緩やかに高度を下げる。
 時折、尾根筋を間違えて断崖の上…凄まじい高度感に慌てて引き返す場面もある。
 .840を過ぎ、残月峰隧道へと続く尾根筋の景観を追うが、眼下の岩塔迫力に腰が引け気味である。…予想以上の高度感ある急峻斜面が終始続き、緊張を強いられるが樹木に助けられる。
 下降開始直後、ザイル使用の判断場面もあったが何とか切り抜ける。
 結局、残月峰隧道の直上付近まで等斉なる急斜面が続き、流石に層雲峡と実感する。
 残月峰隧道の入口上に腰を降ろして、安堵感に浸っていると、国道39号線を通過する車両の顔が不思議そうに私を見上げる。
 この山を目指す物好きな方は、稀と思いますが、断崖ルートは観音岩隧道の東側斜面が最も安全確実と思えます。

観音岩隧道
登り
2時間40分
50分 下り
1時間40分
断崖上台地
1時間50分
山 頂

1 国道39号線「四の沢覆道」から山容 
2 観音岩隧道東側【登りルート】 
3  断崖上台地から山容
4 山頂手前尾根から層雲峡温泉街と黒岳 
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