羽幌岳     知らざれる静峰
        
2005.03.19/単独

ふれあいの家まどか〜東尾根〜山頂(往復) 


   羽幌岳は、道北の朱鞠内湖西側に位置する標高700mに満たない山であるが、アプローチが長く奥深き山である。
 この山への憧れは強く、夏季に沢筋を詰めるには錯綜した地形に沢筋の発達が乏しいと判断、webで検索しても登山記録は見当たらず、情報が全くないまま積雪期に計画する。
 登山口へと国道275号線の朱鞠内の集落から「蕗の台/朱鞠内線」標識に朱鞠内湖畔沿いの道道528号線へ入ると程なく左手に円形の建物が見え登山口となる。
 この円形建物は、「ふれあいの家まどか」で宿泊研修・食事ができ、内部はしゃれた雰囲気であり、是非訪れをお勧めしたい。
 余談であるが、この円形建物は昭和61年に廃校となった旧朱鞠内小学校であり、昭和30年当時、全国に100校ほど建設され、道内にも10校位あるようである。
 ルートは、羽幌岳東側の林道次いで沢筋を辿り山頂を目指すが、距離は14Kmと長く、思案の結果、10Kmほどの林道をクロスカントリスキーを次いで沢筋は「ワカン」装備であれば可能と挑戦である。
「ふれあいの家まどか」西側から延びる林道に入ると早朝の固い雪面をスケーティング走法で流すと面白いように距離を稼げるが、背中の装備特に登山靴が重たい。
 高低差が僅かな林道の小起伏にバランスを崩しながら行くと、右手に立派な橋等が連続して、もう一本の林道と思えたが鉄道跡のようである。
 過去、道北の内陸都市である名寄市と道北日本海側の羽幌町を結ぶ「名羽線」の建設工事の名残であり、開通する事はなかったと知る。
 C340林道分岐手前に朱鞠内川の凍結した水面が点在する。
 山間部が急激に狭まったC335で登山靴とワカンに装備を変更しながら、約10Kmほどの林道であったが、やはりクロカンスキーでのスケーティングは非常に有効であるが、細い板には重たい装備が応えて工夫が必要である。
 狭小の沢筋デブリ斜面を抜け、林道を辿りC340林道分岐から朱鞠内川を離れて左手へと進むと、C360付近で林道地形は消える。
 広い沢筋からC375二股を左股に入ると沢幅が狭小となり、幾本の沢筋が両岸に入り組み、正面に羽幌岳の南尾根が見え隠れする。
 C410二股を左股に進むと一段と沢筋が狭くなり、両側斜面からのデブリが点在するが、特に危険ではない。
 C480二股からは頂稜線が空際に浮かび、山頂部を実感しつつ、二股の中尾根に取り付くと急峻であり、一気に高度を上げると山頂と間違えるC625のニセピークを望む。
 羽幌岳東側のニセピークの奥に稜線が見え、明らかに山頂部ではないと気を取り直して滑降斜面に適する625Pに上がると東側に雪庇が張り出した山頂が指呼の距離にある。
 コルに高度を落として登り返すと頂きであり、北側にピッシリ山、西方には焼尻島の積雪が濃青の日本海に白き砦のように浮かび、長い間、憧れた奥深き山であっただけに感無量と道北特有の景観を味わう。

ふれあいの家まどか
登り
3時間45分
1時間00分 下り
3時間30分
C335(登山靴へ)
2時間45分
山  頂

備考/上記時間は総所要時間

1  C335林道終点手前
2  C625ニセピーク
3  ピッシリ山
4  C625ニセピークから山頂
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