渚滑岳 裏側ルート山頂
2005.04.09/単独
上紋峠〜C862〜C1276(於察頭)〜山頂〜モセカルシュナイ川〜上紋峠
渚滑岳は、北見山地の天塩岳北方に聳え、南斜面は急峻であるが北側は緩斜面が広がる1300m級の山である。
通常ルートは、南の滝上町側からのアタックであるが、先日、上紋峠から柵留岳山行の際、丘陵景観が続く山並みに渚滑岳北ルートが浮かび、今回頂きを踏んだ記録である。
登山口へと道道61号線/士別・滝上線で向かい、シェルターを抜けると左手に藻瀬狩山が見え、上紋峠手前に駐車場がある。
上紋峠からのルートは、尾根筋を「於察頭/1276m」を経て東進とモセカルシュナイ川沿いの2案が考えられ、両者とも片道11Km以上の距離がある。
私は、前者の尾根筋を辿って山頂に至り、モセカルシュナイ川沿いは、荒天候のエスケープルートとして考えたが、結局両方のルートを歩いた。
上紋峠は、15cm程の積雪に真冬景観であり、丘陵地形のC825を正面に滝上町と朝日町の境界線に沿い、緩やかに起伏を繰り返し振り返ると藻瀬狩山が見える。
C861で町境界と地図上の破線林道分岐を過ぎ、回り込むと林道形跡を発見、一旦高度を下げてC925へと向かう。
尾根筋には、疎林斜面が山頂まで続き、天候に恵まれれば快適な春山歩きが楽しめると思えるが、本日は荒気味の天候又長距離の単独もあって先を急ぐ。
C1032付近の風の通り道には立派な林道が顔を現し、地図を眺めるが未記載である。
C1134西側に捲く林道を離れ、三等三角点「於察頭」へと勾配を増した樹林帯にトラバースすると索漠とした高所景観に小ピークの於察頭である。
強風に雪煙が舞い、頂きを楽しむ余裕もなく渚滑岳とのコル部C1094に高度を下げて安心の溜息、正面には渚滑岳西尾根が疎林斜面に延び、長距離の登りが続く。
尾根筋を緩やかにアルバイトすると南斜面が落ち込み、尾根の南側寄りを辿り、覗き込むが斜面の景況を伺いできない程に急峻である。
辛抱の時間が続き、頂稜部の南側に大きく長い雪庇が張り出した高みが目標の山頂であるが何の標識等も発見できない。
待望の渚滑岳山頂…雪煙に強風が抜け、展望は全くなく残念である。
下山ルートは、強風もあり尾根筋の同じルートも妙味が少ないとモセカルシュナイ川沿いに帰路を選定、スキーシールを外して下山。
500m程高度を下げ、針葉樹林が濃密になると地図上の破線道C810の沢筋に到着…静かである。
当初は快適に高度を下げて、破線道跡を探すが見当たらず、次第に雪解けが進むモセカルシュナイ川の渡渉に時間を費やす。
沢筋の両岸が急峻地形に変わり、諦めて左岸に大きく上がり山腹を切り、C612二股に到着、渡渉箇所を探す。
C646二股を眼下に沢筋沿いを辿るとC846上部からは沢地形も極端に浅くなり、広尾根に何とか上がったと安堵感である。
重くなった足を運ぶと、高低差のない広大な斜面が広がり、コンパスで方向確認するが、このような地形ではGPSが最後の頼みである。
境界線のC861分岐点の林道跡地形に懐かしさを覚え、正面に藻瀬狩山と道道を眺めつつ、ゆったりとした起伏に長かった一山を終える事ができ帰路につく。
備考:反省点として、地形図のモセカルシュナイ川沿いの破線道を使用と下山したが、急峻な斜面が続く入り組んだ沢筋には道跡が全く見当たらず、登りと同等の時間を費やしてしまった。
下山は、渚滑岳西尾根から於察頭へと標高差160m程を登り返し、境界線の尾根筋を辿った方が滑降も楽しめるが、広尾根が続き方向標定の手段が不可欠である。
上 紋 峠 登り
4時間30分2時間55分 2時間15分 下り
4時間20分
於察頭C1276 モセカルシュナイ川C612二股 1時間35分 2時間05分 山 頂