旭岳    もう一つの旭岳
       
2005.04.24/単独

原始の水(広場)〜上富良野演習場境界〜林道〜西尾根〜山頂(往復) 


  旭岳と言えば北海道の最高峰でしょうが、同名の山が南方の富良野岳西側にもあり、十勝連峰の前衛に位置、1300級の標高である。
 山麓からは、富良野岳と前富良野岳が目立ち、更に富良野盆地側のこの山に眼を奪われる人は少ない。
 山頂からは十勝連峰主稜への眺望に優れ、特に前富良野岳から派生する鋭い無名峰群は圧巻である。
 登山口へと上富良野町を抜けベベルイ零号線で山裾の麓郷方面に向かい、次いで上富良野演習場南側の「原始の森の水」広場を出発点とする。
 大量に湧き出る水の広場からは、前富良野岳西尾根の1499、富良野岳そして旭岳が遠望される。
 中密度の樹林帯へと入ると雪解けが進み予想以上に積雪量が少なく「ワカン」の足元が抜かり、スキー装備へと変更も考えたが前進する。
 上富良野演習場南端の国有林との境界方向へと進み、広く直線的に延びる境界道路から振り返ると富良野盆地越しに芦別岳、夕張岳等が横一線に広がる。
C620演習場南端境界と林道が最も接近する地点から前富良野岳西尾根を大きく捲こうと北上する。
 国有林との演習場境界道路は、山裾の林道から大きく離隔したと気が付き、C610から旭岳西尾根の取付点C733に向かい鬱蒼とした針葉樹林帯に入ると深雪である。
 明るい灌木斜面に変わると程なく林道に出るが、直進横断して前富良野岳西尾根側から取付点へと斜面を切ると旭岳が青空に遠く高くに映える。
 西尾根へとトラバースすると前富良野岳が高く望まれる…尾根上も引き続き深雪状態であり、装備選択の誤りを悔いるが進むしかない。
 疎林帯もC930mで終えると尾根北側に植生が見られ、南側には雪庇が続く直線的な白き尾根筋が延びる。
 クラスト部分を探しながら高度を上げようとするが深雪が続き、「ワカン」の足元は埋没するばかり、悪い事に新雪もありダンゴ状態…数歩毎にピッケルで雪を払う。
 吹き溜まり越えでは、ダンゴの「ワカン」が雪中で滑り、高度が上がらない時間を繰り返しつつ、頭上の等高変換点が遠い。
隣の前富良野岳山頂の高度と比較しつつ、スキーでの下山には多少狭い尾根筋を一歩ずつ辛抱のラッセルをする。
 幾つかの傾斜変換を通過すると前富良野岳から派生する岩峰、1499が鋭い稜線を見せ、奥側には富良野岳が白く端正である。
 山頂部手前の細尾根を通過すると待望の頂きであり、正面には前衛的な鋭峰、富良野岳から噴煙の十勝岳、美瑛富士まで一連に展開する。
 頂き直下をスコップで掘り、予想以上に苦戦したと、日光浴の至福の一時…圧巻の景観を眺望する。
 下山、スキー装備でも問題なかった尾根筋に高度を下げながら、過去の職業柄、絶えずこの山容を見上げ、思い入れも強かった山だけに貴重な山行となり感謝する。

原始の森の水(広場)
登り
4時間40分
2時間25分 下り
2時間35分
733「西尾根取付点
2時間15分
山  頂

1 旭岳・富良野岳・前富良野岳・大麓山(左から) 
2 前富良野岳
3 旭岳山頂から前富良野岳・富良野岳
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