コスマヌプリ/トノカリシベツ山遠き山路
2005.05.28/複数
取水ダム〜みつまた橋〜雨量観測所〜トノカリシベツ山〜コスマヌブリ南尾根〜コスマヌプリ
コスマヌプリは、大雪山連峰のトムラウシ山とオプタテシケ山との主稜線から東に200m程外れた山であり、トノカリシベツ山は、コスマヌプリ南尾根の湿原地帯に山頂がある。
コスマヌプリは、夏季縦走路から外れ又トノカリシベツ山は、湿原台地のピークであり、積雪期対象の山と計画する。
登山口へと同行者のO氏/旭川と合流、トムラウシ温泉方面へと向かい、トムラウシ川「曙橋」林道入口でテント泊とする。
翌早朝、曙橋を渡り十勝川沿いの林道から「殿狩橋」を渡り、トノカリ林道へ右折すると程なく簡易ゲートを抜けると取水ダムが除雪終点であり、殿狩橋の林道分岐点から約800mの地点である。
スキーを背負い、トノカリシベツ川右岸沿いの林道は数箇所に残雪が点在する程度の融雪状況であり、次いでオプタテシケ沢沿い歩きに変わると周辺斜面には残雪が濃くなる。
トノカリ三股に到着、オプタテシケ沢に架かる「みつまた橋」以降は林道の積雪も多くなり、待望のスキー装着に移行する。
林道終点のC820には雨量観測所の建物があり、オプタテシケ山への標示テープが吊り下がり、樹木の間隙からはトノカリシベツ山が遠望される。
今回ルートの最大ポイントは、タテヤ沢の渡渉であり、右岸沿いに高度を保ちながら最初の沢筋を目指すと沢筋には豊富な残雪であり、問題なく通過する。
次いでC885タテヤ沢二股を目標に右岸斜面を切ると、下方から響きわたる、活気ある沢音に渡渉の不安感を持ちながら、トノカリシベツ山の西側方向へと回り込む。
C885二股上部は急峻な沢筋が入り組み、眼下のタテヤ沢の水流を見ると渡渉可能と判断、長靴も携行しており、急斜面の下降地点に最適の渡渉点を発見…幸運である。
スキー靴装着したまま岩伝いに渡渉すると、上部には大きな滝が豊かな水流を見せる。
トノカリシベツ山西側の樹林斜面に高度を一定に上げ、湿原台地の肩部の岩場を回り込むと広大にな湿原地形に出る。
山頂部へと多少の高みをGPSで確認するが、頂きを示す人工物等は全く見当たらず、平坦台地越しにコスマヌプリ南尾根の1494Pが薄い輪郭を見せる。
緩やかに続く等斉斜面からC1230の短い急斜面を越えると再び緩斜面に変わり、高度を上げるに従い、疎林の広尾根に変わる。
1494P直下は、一面雪原の景観に中斜面を登りつめると尾根筋が明確に変わるが、高低差は非常に小さい。
1494Pからコスマヌプリへの標高差は130m程で楽勝かと思えたが、山頂直下の岩稜尾根にはハイマツが広がる。
尾根西側斜面にはハイマツ斜面が大きく広がり、東側へと回り込むが低灌木とハイマツにスキー操作は不可能となり、スキーを背負う。
灌木とハイマツに掴まりながら、雪面を踏み抜きながら何とか尾根に上がるとハイマツ越しに岩稜の頂きが間近である。
腰丈程のハイマツを抜けると待望のコスマヌプリ山頂であるが、悪天候に展望は得られない…残念。
霧の合間に主稜線に延びる登山道を眺めつつ、O氏/旭川とやはり遠かったと時計を眺める。
下山経路は、オプタテシケ山南東尾根までは、尾根筋を下がろうと、縦走路方向へと向かい西斜面の雪面を辿り高度を下げる。
縦走路東側斜面を高度を保ちながら横切るが視界0となり、白き雪面の景況も加わり、スキーTOPより先は、方向・斜度の感覚が全く分からず身体が不安定状態に陥る。
時間と共に足下に雪玉が転がる…注意深く周囲斜面を判断すると相当な急勾配と気が付く。
視界0では、滑落したならどこまで落ちるのか、落ちたとしたら相棒はどうするか!!…この先の地形は全く不明であり、手探り状態は危険と判断して引き返す事にする。
反転の際に滑落の危険性もあり、スキーを外して回れ右、再びコスマヌプリ南尾根に出るとホッとする。
緩やかなる斜面に滑降気分を味わい、C885二股を再び渡渉すると山麓には陽気が広がる。
備考:
林道に出ると再びスキーを背負うとトノカリ三股近傍に○○ツァ−会社のテントと車両に驚く…取水場除雪終点の雪を大人数で除雪、進入したとの事である。
この日以後は、長い林道歩きもカットできて、オプタテシケ山への山行時間も短縮で きる林道状況に変わった。
取水ダム 登り
5時間30分1時間40分 下り
3時間20分雨量観測所 1時間45分 トノカリシベツ山 2時間05分 コスマヌプリ 1 雨量観測所からトノカリシベツ山
2 タテヤ沢C885渡渉点(Ogi氏)
3 1494P
4 山頂手前南尾根(私)Ogi氏提供
5 山頂部とOgi氏
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