春別岳      対照的な山頂尾根
          
2005.06.19/単独

北東沢〜北西尾根〜山頂〜二ノ沢 


 春別岳は、北日高に位置する1500m弱の高峰であり、中日高の1855峰(通称:春別岳)には高度的に劣るが、東西に急峻な斜面を見せる山である。
 通常ルートは、二ノ沢から山頂を辿るが、今回は北東沢から山頂次いで二ノ沢へと下降した記録である。
 登山口へと国道274号線からパンケヌーシ川沿いの林道に入り人家が途絶えると程なくゲートがある。
 パンケヌーシ林道は、昨秋の台風影響の災害復旧工事跡が散見され、特に枝沢からの鉄砲水による修復に被害の大きさを知る。
 パンケヌーシ林道と二ノ沢林道分岐手前の無名橋から北東沢に入渓、融雪が遅い6月もあり、地下足袋に冷水が浸みる。
 広目の沢筋に高度を上げるとC675二段滝(15m)を右岸に高巻き、再び沢へと最初の懸垂下降であり、先が思いやられる。
 C830三段滝は比高差40m程であり、左岸を捲きC860左岸枝沢の高度感溢れる沢筋を過ぎ、C890二股を左股に入ると雪渓が続く。
 深く落差ある沢筋景観に雪渓が不気味に開口部を見せ、勾配が増すと地下足袋が雪面を滑り、更に緊張する場面が続く。
 雪渓と斜面との接際部を足がかりに辿るが、雪渓が継続的に続き、雪渓が途切れた足元を覗くと落差ある小滝が流れ、両斜面は手がかりのない岩盤・泥土で次の雪渓に渡ることができない。
 C980深追いは命取りと引き返して、左岸の泥土を慎重に這い上がり、尾根に出て溜息…再び沢筋に下降しても稜線までの標高差500mの雪渓を登るのはピッケル・アイゼン装備が必要である。
 この尾根筋が山頂部北側のどの地点に出るのだろう…地図がなく紛失と気が付く…春別岳の頂きをと稜線を見上げるが、特徴のないラインが見えるだけである。
 幸運な事に尾根筋は急峻であるが、鹿道も多少発達して藪も薄く、前進のみと高度を上げるとツツジ・山桜が心地良い。
 C1300岩場を抜けてコルを通過すると頭上に岩峰が迫り待望の稜線に上がる。
 清々しい風が吹き抜ける尾根からは、西側に春別岳方面へと鋭い岩峰が連なり、チロロ岳本峰・ペンケヌーシ岳次いで懐かしい止別岳を望む。
 春別岳へと向かうが、1484前後の稜線歩きは、両側が切れ落ちたキレットの岩場に凹凸が続き、足幅部分もあって気が抜けない時間帯が続く。
 特に1484から山頂に至るキレットは植生が無いと這う事になる地形が続き、この山は手強いと緊張する。
 狭い山頂には、三角点標石が斜め状態であり、展望度は抜群!!山座標定をしながらキレットと沢筋を眼下を眺め、変化に富んだルートに苦戦して遠かったと高所空間を味わう。
 下山は、通常ルートのニノ沢へと向かう尾根筋には枝払い跡も見られ、やはりこのルートが歩かれていると藪を漕ぐ。
 C1245二股(登り/右股)に出て下降するとC800付近まで滝が随時出現するが、大半は左岸を容易に捲く事ができる。
 やはり、この沢ルートが正解であり、広尾根のハイマツを多少漕ぐ程度で山頂に至れてお勧めと知る。
 二ノ沢林道に出て簡易ゲート(鍵あり)を抜け、パンケヌーシ林道を歩くと山行を終える。

入渓(北東沢)−1時間55分−C980(尾根取付)−2時間05分−稜線−1時間05分−山頂
山頂−2時間10分−二ノ沢林道−25分−北東沢口

1 C830三段滝(北東沢) 
2 西側岩峰  
3 ペンケヌーシ岳
4 1484からのキレット
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