中ノ峰    遠き遙かなる山
        
2005.08.14/GP

三石ダム北側ゲート〜高見橋〜映光橋〜カシュツオマナイ川〜シュンベツ川〜南西尾根〜山頂 


 中ノ峰は、中日高山地の知峰カムイエク等の南北主稜線とナメワッカ分岐から西に延びるイドンナップ岳の支稜線に囲まれた1341mの独立峰である。
 この山へは、高見湖・三石ダムからの林道口ゲート封鎖にて、神威山荘からの山越えを含めた現在、北海道の山々で最も奥深い山の一つである。
 今回、この山行を企画した「ガイドブックにない北海道の山50」著者、八谷氏との同行により往復約86Kmの林道を自転車利用にて、2日目して山頂に至った記録である。
 1日目:三石町の三石ダム北側のゲートが出発点となり、八谷夫妻と合流して43Kmkの道程、最初は高見湖への標高差250mの峠越えである。
 夏の暑い陽射しに喘ぎつつ、伐採現場を過ぎて峠に上がり、高見湖の青緑の湖面次いで高見湖林道分岐から湖畔沿いにアップダウンを繰り返し、高見橋(ゲート有り)を経由、「東の沢発電所」とゲートがあるペテガリ山荘への林道分岐に到着する。
 広い砂利道のコイボクシュシビチャリ川に架かる幾つかの橋、大ゲート(開放)を過ぎ、山間部の林道に入り、コイボク峠へと向かと「日高縦断道路」の工事中止により、風化した工事途中の橋、封鎖中の千石トンネルに経緯を見た思いである。
 せいわ橋(地形図では映光橋)から、標高差250mのコイボク峠に向かい、尾根コル部を掘削したコイボク峠に到着…何とか辿り着いた。…これで中ノ峰登頂への挑戦権を得たと感無量である。
 峠を下り、C635春別林道分岐点の「春別宿泊場」を過ぎ、シカシナイ山西尾根がカシュツオマナイ川に落ち込むC560橋手前のテント場適地に到着する。
   2日目:C560橋からカシュツオマナイ沢左岸の作業道跡を辿って入渓、広目の沢筋は水流は少なく、大岩、流木群を越え下流に向かうとシュンベツ川出合いである。
 広河原の出合いは、水量が多く流れも速く、渡渉に注意を要しつつ、程なくC465ポンイドンナップ川出合いである。
 シュンベツ川は、ポンイドンナップ川出合いから東側に蛇行、南西尾根への取付点はポンイドンナップ川出合いから右岸に最初に水流のある沢筋が尾根への取付点となり、この地点までは滝もなく順調に到着する。
 中ノ峰へのルートは、649尾根と南西尾根との間の浅い沢形地形から南西尾根に上がり、一路尾根を辿る計画であり、標高差850m程を藪漕ぎ覚悟で頂きを目指すものである。
 水流の少ない沢を上がると浅い凹地形状に変わり、乏しい沢形地形から、薄い藪漕ぎにC725南西尾根に上がり、尾根筋の鹿道
緩やかに高度を上げる。
 C990まで藪は比較的薄く、鹿道を順調に辿れたが、広尾根に変わると鹿道も消え、濃密な笹藪、次いでネマガリダケ漕ぎに高みを目指す。
 C1200付近から再び尾根筋が明確になり、ネマガリダケ漕ぎを終えると、笹尾根に再び鹿道が続き、尾根筋が南南東へと方向を変えると、待望の山頂部が樹木に覆われた山容を見せ、頂きへの距離を実感する。
  頂上直下斜面の一部に岩肌があり、笹尾根を緩やかに登るとHA氏が笹藪に三角点があると…台地形状の山頂に到着する。
 中ノ峰は、奥深い山の一つであり、三石ダムから自転車を押し、2日目にして踏む事ができた貴重なる空間と感激を味わう。
 頂きは、東側のみに展望が開けるが、カムイエク・エサオマン等の主稜線は雲の中に隠れているのが残念である。
 下山途中、明日予定の「大山」の山容を眺めて往路を下降、C1100以降は広尾根の支尾根に地図判読が難しい地形が続き、シュンベツ川に降り、テント場へと沢筋を辿る。

1日目 三石ダム北側ゲート
8時間40分(自転車)
C585(テント場)
2日目
5時間30分
登り 10分 下り
4時間30
C560橋(カシュツオマナイ沢)
1時間
C490「南西尾根取付点(シュンベツ川)」
4時間20分
山  頂

1 高見湖
2「日高縦断道路」千石トンネル  
3  南西尾根取付点(シュンベツ川)にてHA夫妻
4  山頂直下尾根から大山
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