二岐岳  変化富む展望の山
        
2005.10.02/GP


二岐沢出合(北電ゲート)〜林道〜一の沢〜山頂(往復)


 二岐岳(ふたまただけ)は、北日高に位置する1500m級の高峰であり、平取町と日高町の境界に聳える急峻なる山である。
 登山口へと、沙流川温泉で合流したOgi氏/旭川と千栄地区から千呂露林道に入り、ゲートを抜けて、紅葉に映える断崖を見ると二岐沢出合い広場である。
 千呂露川に架かる北電ゲートの橋を渡り、二岐沢左岸の林道に入り、最初の橋先が「一ノ沢」出合C645であり、紅葉が印象的である。
 C645で入渓、山頂までは沿線距離2400mに対して標高差950mと一定勾配が終始続き、沢情報もなく難易度も不明と、未知なる歩きである。
 C750までは、沢筋も広いが、次第に沢幅も狭小となり、足元の岩は滑り易く又微妙な岩越えが続き気が抜けない。
 C765二股の荒景観を過ぎると小滝が連続、C810を右岸に辿るとC855でルート最大の20m滝が並列、高度感が紅葉に映え美しい景観である。
 左岸ガレ沢が好都合の高捲きとなり、薄い藪から再び入渓、C930二股を右股に入ると直ぐ上がC930二股であり、黒褐色の岩滝の右股を左股方向から捲くと、一枚岩景観の浅い回廊と黒いナメ床が続く。
 C1000小滝を直登、次いで枯沢となるC1030二股の右股入口のガレ滝を中尾根から捲き、振り返るとチロロ岳西峰が大きな山容を見せる。
 C1300二股を右股、次いでC1400二股の左股は美観の沢筋、右股は笹が覆う景観であるが、山頂部方向の右股に入ると、藪漕ぎの始まりであり、沢形も終わりである。
 C1430岩が点在する尾根筋に上がり、次第に藪密度が増し、頂きまで100m程を残すとハイマツと灌木斜面が続く。
 時折、藪の間隙から幌尻岳等が秋景観に染まり心が和み、山頂直下で藪が薄くなると待望の頂きはハイマツに囲まれた小広い草地である。
 三角点標石のある山頂からは、全周展望が得られ、北から雲知来内岳・春別岳・ペンケヌーシ岳・大きな山容チロロ岳・ピパイロ岳・幌尻岳・イドンナップ岳方面・糠平岳が秋の空気に遠望され、予想外のパノラマにOgi氏と感激する。
 下山は、紅葉の彩に染まる沢筋へと下降、C855の20m滝上部で一度懸垂下降、次いで並列20m滝の中央を念の為、相互携行のザイルを連結して懸垂下降である。
 何れにしても、沢筋は微妙なるバランスの下降が続き、気の抜けない時間帯が連続するが、沢歩きと展望を楽しめ、沿面距離は短いが時間を要する良き山である。
 この山にて、この周辺の山々を
ほぼ歩いたが、チロロ岳西峰・ペンケヌーシ岳南峰の山容を眺め、単独の山としてルート設定したいと、楽しみが増えた収穫ある山行であった。

二岐沢出合(北電ゲート)−4時間20分−山頂

1 C855の20m並列滝
2 山頂からチロロ岳と西峰
3 山頂から雲知来内岳/春別岳
4 山頂から幌尻岳
5 C855滝をOgi氏、懸垂下降
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  貧乏靴スタイル Ogi氏提供(右/筆者)
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