班渓幌内山・鏡岳・丸子山)
          
静寂なる循環の旅
          
2006.03.04/単独
カナディアンワールド跡C200〜鏡岳〜丸子山〜班渓幌内山


 班渓幌内山・丸子山・鏡岳は、富良野盆地北西の900m級以下の山並みが連なる幌内山地に位置する。
 班渓幌内山は、芦別側から西斜面を辿り積雪期に登られる事が多いようであるが、私は南側の鏡岳次いで丸子山へと足を延ばし境界尾根を北上、班渓幌内山の頂きへのロングコースを計画する。
 道道4号線から「新旭炭坑」標識から山間部に入ると地名が「黄金地区」「黄金幌内川」とあり、新旭炭坑(黄金露天坑)当時の名残と思える。
 「カナディアンワールド跡」から程なく、芦別温泉へと抜ける道路脇に駐車をするも空模様は小雪混じりの曇天である。
 盤ノ沢川右岸の緩やかな斜面に入ると、程なく標示テープが散見され、鏡岳へのルート標示と思われ、この山を目指す人もいるのだと意外な思いである。
 正面にC830岩峰と奥側に国境尾根線のC884の魅力ある山容を眺め、林道を数度横断、中密度の樹林斜面もC320から斜度を増す。
 時間経過に尾根筋も明確になるが、広尾根に変わりセッピ・倒木は皆無であり順調に距離をアルバイトすると「エゾリス」が雪面に黒く目立つ体で動き回り愛くるしい。
 鏡岳山頂部は、尾根の一部と思われる頂きであるが、周囲の樹木には頂上テープがあり、地元山岳会にて登られるようである。
 次の目標である丸子山の標高は鏡岳とほぼ同標高であり、国境尾根を挟んでゆったりとした起伏に富んでいる。
 国境尾根を越えると一層静寂が広がる明るい広尾根が続き、富良野盆地を遠く眼下に望むと台端奥側が特徴のない山頂部であり人工物は見当たらない。
 班渓幌内山は遠いと丸子山から境界尾根のC884方向へと大きく高度を下げ、再び登り返すも地図では判読できない複雑な地形が出現する。
 尾根を北上すると風に雪も交じり、広尾根の方向が定めにくい上に疲労気味と辛抱の時間帯が続くが平坦台地の班渓幌内山が間近になる。
 大斜面の木々が点在する雪原にゆったりと高度を上げると班渓幌内山の頂きであるが何の特徴も無く、山頂テープはと探すが見当たらない。
 山頂と思われる近傍に「猫が窓でも眺めて座っている様な後ろ姿」景観の雪魂が微笑ましく、我が家のワガママ猫を思い浮かべつつカメラを構える。
  広い山頂部台地から南西尾根に下山、高低差が全くない広尾根が続くと、雪模様が一層強くなる。
 スキーシール装着にて等斉斜面に緩やかに高度を下げ、複雑な小地形を抜けると明るいC435林道に出るが、雪温の変化でスキーシールが下駄状態となり四苦八苦である。
 沢筋に水流の音が響き、下界は春間近と実感しつつ、長かった3山循環ルートの一人旅を無事終える。

 総所要時間
8時間15分
 C200車止−−−鏡山−−−−−丸子山 −−−−班渓幌内山−−−−−C200車止
     (2時間)(1時間20分)(2時間25分)   (2時間35分)

1 鏡岳方向
2 鏡岳尾根筋からの班渓幌内山
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