1094m   平野部に大きな山容
          
2006.08.05/単独

鉱山の沢林道〜ペンケイワナイ川〜南西尾根〜山頂〜南東尾根


 1094m峰は、日高町南方の糠平山・シキシャナイ岳より更に南に聳える無名峰である。
 この周辺山域では、シキシャナイ岳(1058m)の三角錐の特徴ある山容に目が奪われるが、少し南側にはどっしりと大きな山容が並び1094m峰である。
 この山には無論登山道はなく、林道歩きから沢筋次いで急峻なる斜面を繋いで山頂に至った記録である。
 1094m峰に興味を抱いたのは、先般、近傍の於曽牛山のオフミ山行時に○○氏が眼を引く山容であると挙げ、地図を眺めると独立峰であり計画する。
 登山口へと額平川沿いに幌尻岳へと向かう林道に入ると、最初に平地部から1094m峰の山容が尖ったシキシャナイ岳と並び聳える。
 ルート計画は、南側のペンケイワナイ川を北上又はパンケメウシュナイ川沿いの林道から更にペンケイワナイ川へと林道を辿る2案を考えたが、後者の林道利用を選択したが結果的には前者が正解と知る。
 パンケメウシュナイ川に架かる糠平八号橋が登山口となり、「鉱山の沢林道」に入りパンケメウシュナイ川を渡渉する387地点で林道は完全に崩壊して跡形もなく、自然の脅威を感実感する。
 夏本番の暑い陽射下、等高線が緩い中の林道は皮肉にも快適に延びており、正面に798m峰が尖り、山頂からの景観でも感じたがこの周辺山域には鋭山が点在する。
 798m峰南端を通過、林道は緩やかに下るとペンケイワナイ川に出合うが、林道は地形図より更に延びている。
 荒れ気味の沢筋から河原景観に変わり、C530支流の南東沢に入ると岩石が皆無に近く、
 C655二股まで終始続く滑床は足元に神経を使うも妙味ある景観であ、等高線が急激に狭小となるC655二股で地形読みを誤る。
 右股は渇水の滝、左股は渇水した沢筋正面に急峻斜面、左股を辿ってから中間の尾根に取り付こうと左股に入る。
 急激に高度を上げると手掛かりが乏しい急峻地形が続き、左岸から中間尾根に上がる事ができない…右岸からアクロバット状態で何とか体を持ち上げる。
 急峻なる斜面を見下ろしながら、尾根に上がった時点で中間尾根からの直登ルートは諦め、尾根上の中密度の笹藪を漕ぐと稜線彼方に1094m峰が見える。
 小起伏の連続に濃さが増した藪漕ぎに暑さが拍車をかけ辛抱の時間帯が続き、山頂部東側に一連に延びる岩壁を越えられるかと地図を眺める。
 山頂部が近づき日高の知峰への展望が開けると、山頂直下に岩壁が部分的に確認できる程度であり、何事もなく山頂に到達する。
 三角点標石の周囲が刈り払われた頂きは、東側に視界が開けており、残念ながらシキシャナイ岳を間近に眺める事はできなく、下山ルートの南東尾根に下がった笹藪で陽射しを避けて一休みである。
 日高北部の主稜線の峰が遠望でき展望に優れ、尖りの戸蔦別岳と幌尻岳の頭が雲に包まれ、この暑さに稜線の登山道歩きも大変と思える。
 下山は、南東尾根を下降したが、東斜面は等高線が狭く、急峻なる斜面に崖部が点在しており、慎重に尾根筋を拾いながら高度を下げるとC655二股に出合い溜息である。
 この山頂部は無名峰であるが山名は人の考える事であり、知峰・無名峰であろうと山に登る意義が見い出せて、頂上達成感が得られれば十分と自己満足して下山する。

387(林道)
登り
3時間15分
45分 下り
2時間30分
ペンケイワナイ川入渓
2時間30分
山 頂

1 平地部からシキシャナイ岳と1094m峰
2 C655手前沢筋
3 山頂部から北日高主稜
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