天狗山   奥深きかな低山
         
2007.06.24/単独

ボクボイ沢〜南東尾根〜山頂(往復)234)


 境山は、夕張山地の主稜線から東に外れ、芦別市南方に位置する800m級の低山であり、無雪期に登山対象に選定するのは皆無と思える。
 この時期、地形図でルートを思案すると東西があるが、登頂の容易性から比較すると西側を選定する事とする。

 三笠市幾春別地区に向かうと、北海道の炭鉱史を偲ばせる「住友奔別炭坑」の立抗ヤグラと施設構内に「立入禁止」とあり、活気あった採炭当時に歴史の変革を感じさせる。
 道々452号線から桂沢湖・富良野方面〔三叉路/博物館〕へは通行止めとあり、林道口のゲート状況も不明であり、ミニバイクに跨り奔別川沿いの林道に入る。
 新規工事の舗装からゲートもない林道に直進すると奥深い林道であるが「山菜取」「魚釣」の車両が入渓点まで散見される。
 ルートは、境山南西沢から山頂に至る計画であり、「地図がガイドの山歩き」に貴重な山行記録が掲載されている。
 C300、ボクボイ沢に入渓、沢筋左岸には作業道が延びているが、作業道を辿っても大差なしと判断、直ぐに広目の沢に降り立つと水流は少なく、程なく砂防堤が現れる。
 平凡なる沢歩きが続くとC445二股、右股は奔別岳北西沢であり、左股に進むと沢幅が狭小となり、一枚岩形状の小段差が反復されるが問題はない。

 C655二股、境山から奔別岳へと連なる尾根筋を見上げ、山頂までの高さを図る事ができ、C760二股(左股)では雪渓を見る。
 C760二股直上からは2ルートが考えられ、引き続き沢筋へと直進して尾根筋に一旦上がってから山頂又は南斜面西の直登の2案があるが、前者を選択して可能な限り沢筋にて高度を上げる事とする。

 勾配が強くなり、枯沢次いで扇状斜面に藪漕ぎの開始であるが、高度を上げる程にネマガリ竹が濃密となる。
 尾根直下でネマガリ漕ぎからやっと開放され、南東尾根に上がるも再び藪密度は濃く、鬱蒼したネマガリダケの間隙から山頂が望まれる。
 単独藪漕ぎの辛抱の時間が続くと、展望の得られない山頂部、三角点等の人工物は発見する事はできなく、やはりこの時期に頂きを踏むのは物好きかと実感する山頂景観である。

 下山は、C760二股へと直進するが、ネマガリ竹の植生は濃密であり、ルート選択に大差はないと判断した。

登り/2時間30分 下り/1時間20分

1  奔別炭坑跡
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